研究課題/領域番号 |
23K01470
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
北野 友士 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (90532614)
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研究分担者 |
山崎 泉 大手前大学, 経営学部, 准教授 (90454222)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 中小企業経営者 / 金融リテラシー / 経営的人的資本 / 経営者教育 / コミュニケーション戦略 |
研究実績の概要 |
本研究課題は経営者の金融リテラシーの向上が中小企業の業績にポジティブな影響を与えること、および中央銀行のコミュニケーション戦略にとっても重要な影響を持つことを実証することである。 本研究課題はまず中小企業経営者の金融リテラシーと中小企業の業績との関係を実証することから始める予定であったが、予備的に行った調査結果の内容について、ものづくりビジネスセンター大阪(MOBIO)-Cafeからの依頼を受けて、「中小企業経営者に求められる金融リテラシーとは?」(2023年9月14日)と題した講演を行った。当日は定員いっぱいの経営者が参加してくださり、期せずして研究成果を社会に還元する機会に恵まれた。 MOBIO-Cafeでの現場の経営者や金融実務家との意見交換を踏まえてアンケート用紙を作成し、2023年12月には楽天インサイト株式会社にWebモニター登録している経営者3000人に対して、大規模調査を行った。アンケート結果は「経営者の金融リテラシーが中小企業経営に与える影響の検証」と題したワーキングペーパーにまとめ、また同タイトルの研究報告を実践経営学会北陸支部研究会で行った(2024年3月19日)。ワーキングペーパーおよび研究報告への学会参加者からのコメントを踏まえて、実践経営学会の学会誌である『実践経営』への投稿準備を進めている。 またワーキングペーパーや研究報告へのコメントを踏まえて、次年度以降の追加的なアンケート調査についても検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者の所属先の異動に伴い、アンケート調査の実施がやや遅れてしまったが、予備的な調査結果をMOBIO-Cafeで中小企業経営者に対して報告する機会に恵まれたこともあって、アンケート調査そのものは想定以上に良い結果を得られた。またアンケート結果についてワーキングペーパーや学会の支部会という形ではあるが、執筆や報告を行い、一定の研究成果を得ることができ、有益なコメントもいくつか得ている。以上の状況から「おおむねに順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査の結果についてより精緻な分析を行い、実践経営学会の『実践経営』および信金中央金庫の『信金中金月報』に投稿を行う。 そうした論文を投稿しつつ、2025年度に予定しているアンケート調査の実施内容や実施方法もあわせて検討し、最終年度である2026年度での国際学会での発表および国際ジャーナルへの投稿にまでつなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
楽天インサイト株式会社に依頼するアンケート調査について楽天インサイト株式会社が大幅な割引をオファーしてくれたおかげで、SPSSをアップデートではなく、新規購入してもなお残額が生じた。次年度は大きな支出の予定はなく、学会での報告等による出張旅費に回す予定である。
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