研究課題/領域番号 |
23K01806
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
金 友子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (20516421)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | マイクロアグレッション / 差別 / 排除 |
研究実績の概要 |
在日朝鮮人研究者・活動家を対象にインタビュー調査を実施し、後のインタビュー調査の原型を作るとしていた。3件のインタビューを行ない、以下のような成果を得た。1)差別や排除に比較的敏感な人びとのマイクロアグレッションの体験を収集した。2)それらの人びとは自分が直接の受けてとして経験する差別的事象のみならず、他の人びとに向けられる差別的な言動に対しても敏感にキャッチしていた、3)2年目以降に実施するインタビュー内容の原型を作ることができた。 理論研究として、マイクロアグレッションと近似・類似概念とをマッピングを行なった。今年度はアンコンシャスバイアスとハラスメントに注目し、これら二つの概念・事象との比較におけるマイクロアグレッションの特性を明らかにした。日本社会での差別を対象にした議論を整理し、マイクロアグレッションの位置づけを確定する作業は、あまり進めることができなかった。 その他、マイクロアグレッションについて7件の講演を行ない、内数件の講演で主催団体の協力を得て聴衆を対象にアンケートを実施した。聴衆はマイクロアグレッションに対して関心の高い層であるので一般化することは難しいが、身の回りで生じる「小さな」言動のうち人を傷つけるすべてのことがマイクロアグレッションとして捉えられがちである現状を把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
在日朝鮮人研究者・活動家を対象にインタビュー調査の件数が、予定していたよりも少なかった。今後実施するインタビュー内容の原型は一定程度作ることができたが、もう少し精査する必要がある。 差別に関する日本社会での議論を整理する作業を進めることができなかった。次年度以降、文献収集とともに、整理の軸を定めて着手していく。
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今後の研究の推進方策 |
上半期中にあと数件の在日朝鮮人研究者・活動家を対象としたインタビュー調査を実施し、インタビュー内容・方法を確定する。下半期から一般の在日朝鮮人を対象にインタビュー調査を実施する。 理論研究は、引き続き類似概念と関係づけつつ「差別」の議論のなかにマイクロアグレッションを位置付ける。日本国内の差別に関する議論の整理も、この作業に組み込んで行う。マイクロアグレッションの判定問題(どう判定するか、なぜ判定が必要か、どんな時に必要か)を検討し、判定基準を明確化することを試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施したインタビューの内、2件は対象者が近隣に居住していたので、1件は他の研究課題に関連するインタビューと合わせて実施したため、旅費・交通費の支出がなかった。また、文献収集に本格的に着手していなかったため物品費の支出が予定よりも少なかった。これらは次年度に遠方居住者に対するインタビューの実施と文献収集で使用する予定である。
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