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2023 年度 実施状況報告書

雇用の質を考慮した就労困難層への雇用創出のあり方-労働統合型社会的企業の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23K01842
研究機関金沢大学

研究代表者

小澤 裕香  金沢大学, 地域創造学系, 准教授 (00582032)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード労働統合型社会的企業 / 就労支援 / 中間的支援組織 / フランス / DLA
研究実績の概要

本研究は就労困難層の雇用創出の担い手として労働統合型社会的企業が雇用の質を考慮した雇用創出モデルとしてどのような可能性をもっているかを検討することを目的とする。研究の1年目は、労働統合型社会的企業の設立・運営支援体制がどのようになっているのか、またその課題についてフランスの事例を通じて検討した。
労働統合型社会的企業の設立・運営支援体制は主に2つある。第一は、労働統合型社会的企業自身が組織する団体(全国、地域圏、県単位で組織化されており、CHANTIER ecoleなど)である。団体は労働統合型社会的企業の認定会議のメンバーでもあるため申請書類など行政上の支援はもちろんのこと、財政上の課題への対応など団体が直接解決できない支援手段については外部の支援へつなぐなど総合的な支援が実施できている。現マクロン政権での雇用政策の予算的制約、また刑務所内に創設される労働統合型社会的企業が優先という方針のもと該当する労働統合型社会的企業以外の相談に応じられていない。
第二は、地域寄添い制度(DLA)が重要な役割を果たしている。DLAは2002年に制度化され、およそ20年間で7,100の企業が支援を受けている。DLAは県、地域圏、国レベルにそれぞれ設置されており、通常は労働統合型社会的企業が設置されている「県DLA」に直接相談支援を依頼する(広域事業展開の場合は「地域圏DLA」が受け持つ)。県DLAは当該県の支援手段を収集し利用できるよう調整する。また、国レベルには7領域(文化、環境・気候変動、スポーツ、健康・連帯、金融、就労困難層の雇用創出、情報)ごとにDLAセンターが設置されており、ネットワーク構築、県・地域圏DLA職員への研修、労働需給のマッチング体制の構築等のDLAが地域レベルで機能するよう基盤整備を行っている。DLAの主要課題は予算の制約から支援企業が限定されてしまうことである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画書通り、DLAの全国、地域圏、県すべてのレベルでの調査が実現し、DLAの体系的な把握や各レベルのDLAにおける役割、運営体制、実施状況や課題等を現地でのヒアリングによって明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

計画書に記載されているように、2年目は労働統合型社会的企業における職業訓練体制について明らかにしていく。文献で明らかにできる範囲が限られているので、現地調査の実現に力を入れて取り組んでいく。

次年度使用額が生じた理由

初年度に海外渡航時に必要なノートパソコンの購入予定であったが、次年度に繰り越すことになったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Exploring the Role of Intermediate Support in Work Integration Social Enterprises: A Study of SIAEs in France2024

    • 著者名/発表者名
      Yuka OZAWA
    • 学会等名
      EASP FISS Joint Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] フランスにおける労働統合型社会的企業の動向と特徴2023

    • 著者名/発表者名
      小澤裕香
    • 学会等名
      日仏経営学会

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公開日: 2024-12-25  

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