研究課題/領域番号 |
23K01950
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
倉持 史朗 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70411056)
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研究分担者 |
今井 小の実 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20331770)
陳 礼美 横浜市立大学, 国際教養学部(都市学系), 教授 (40510160) [辞退]
蜂谷 俊隆 美作大学, 生活科学部, 教授 (50351705)
元村 智明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (60340022)
室田 保夫 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (90131614)
高岡 裕之 関西学院大学, 文学部, 教授 (90305491)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 博愛社 / 聖公会 / 大阪社会事業 / 博愛雑誌 |
研究実績の概要 |
コロナ禍による研究活動の制限、特に貴重な史資料を保存している博愛社(高齢者・養護児童などの生活施設のため)への立ち入り制限などが緩和したこともあり、各研究分担者、協力者の活発な研究が進められた。オンライン形式を中心とした研究会開催の回数を増やし、各自の研究成果の共有を積極的に進めた。そられによって当初計画では2024年度中に刊行予定であった研究書籍『大阪児童福祉の先駆 博愛社の史的研究』(六花出版)を2023年12月に上梓することができた。これまで蓄積してきた博愛社と大阪社会事業等に関する総合的な歴史研究の成果を学界や社会福祉実践者たちに向けて発表できたことは非常に意義の大きいことであったと考える。同じく博愛社創設以降約1年間にわたって刊行していた『博愛雑誌』についても復刻版の刊行(六花出版)を2023年12月に行った。 また、保存整理された線前期までの資料のほとんどのデジタル化作業(デジタルカメラによる撮影とデータの整理・保管)も終えることができた。データの確認を終えたのち、研究分担者・協力者と共有を進めることで一層の研究の深化が期待できると考えている。 2024年3月には博愛社聖購主教会にて博愛社職員、元職員や関係者、施設所在地の地域住民や他の研究職などに向けて、講演会を実施し、研究サークルにとどまらず広く博愛社を取り巻く人々に研究成果を還元していくための試みを実行に移すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間予定より早く研究書の発行が実現したものの、これまでの研究成果の整理や原稿執筆、編集作業等に多くのエネルギーが費やされたこともあり、新資料を用いた研究活動については十分な成果があったとは言えない。また、22年度3月に運用開始した機関誌(『博愛月報』等)のデータベース(目次集)の公表については研究チームの間で合意形成が難しく、機関誌そのものの復刻作業と共に研究チーム内での調整を行なっているところである。
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今後の研究の推進方策 |
戦前期までの資料整理・保存作業及びデジタル化の目処がついたことから、研究分担者の役割遂行とともに下記の活動を行う。 まず、戦中・戦後期の資料整理・保存作業、目録作成を実施する。昨今注目されている「戦災孤児」の実態解明について大きく前進することが期待される。 さらに、戦中期まで刊行された「博愛月報」等の機関誌の復刻作業を進めていく予定である。これにより、研究チームだけでなく子ども福祉領域や教育史、日本史等への研究領域に対して大きな寄与を果たすことになると考えられる。 年次計画に基づき、オンライン・対面方式の研究会を開催し、研究活動の進捗状況および成果の共有を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
戦後期以降の資料整理・保存作業に際して、ガラス板で保存された写真資料の現像作業の費用として活用する。また、整理した貴重な史資料の状態を保つための中性紙保存箱の購入等に充当する予定である。
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