研究課題/領域番号 |
23K02031
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
筒浦 さとみ 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20708622)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | 黄色ブドウ球菌 / にぎり飯 / 毒素 / 家庭 / 食品衛生 / おにぎり / エンテロトキシン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は新しい食中毒予防法や方策を見出し、黄色ブドウ球菌による食中毒を減少させることであり、主ににぎり飯の食中毒予防に関する実用的な研究、培地・食品及び生体内における食中毒の発症抑制法の探索からなる。 本年度は初年度であるため、予備検討を中心に研究を進めた。まず、市販のにぎり飯に添加されているグリシンとpH調整の組み合わせによる影響について調べた。グリシン単独では毒素産生抑制に効果がないものの、米飯のおいしさを保つことができる1%(飯重量)の濃度でグリシンを添加し、さらにpHを変えて、これらの組み合わせによる黄色ブドウ球菌の増殖及び毒素産生に対する影響について予備的に検討した。また、菌の産生した毒素及び精製毒素の両方を用いて、pHや酵素の毒素に対する影響についても検討した。pH 2以下ではバンドがわずかに薄くなる傾向がみられ、毒素が分解された可能性が示唆されたものの、完全には消失しなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いずれの研究内容においても本年度実施予定の研究について滞りなく実験を行うことができており、ここまで概ね計画通りに問題なく進められている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後にぎり飯の研究についてはグリシンとpHの組み合わせによる毒素産生への影響についてより詳細に調べるとともに、そのおいしさの確認も合わせて行う。また、塩むすびに欠かせない食塩や調味料と他の要因の組み合わせについても今後調べる予定である。食品系・モデル系における損傷菌回復阻害に着目した殺菌及び保存法の検討については来年度に開始する。また、食中毒の発症抑制法の探索についても当初の計画予定に沿って、研究を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学内予算等他の予算や過去の研究に使用した余剰分の消耗品等が使用でき、研究費を抑えることができた。研究費を有効活用するために、次年度への繰越を行うこととした。予算を立てた頃よりも物価が高騰し、消耗品や備品の値段も全体的に高くなっていることから、次年度以降の消耗品・備品の購入に充てる予定である。
|