研究課題/領域番号 |
23K02089
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
白幡 真紀 仙台大学, 体育学部, 教授 (70746552)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | キャリア教育 / キャリアガイダンス / SEN / 支援の必要な子ども / イギリス / 移行支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、排除の生成メカニズムと学校から弾かれる子どもの学習と支援の公共性の考察のため、イギリス(イングランドを指す)の中等教育段階における積極的排除防止のための学校内外の移行支援とキャリア・ガイダンスについて調査研究を行う。 社会的排除や停・退学のリスクの高い、社会や学校に適応しづらい生徒を対象に、彼/彼女がなぜ、いかにして通常の学校からオルタナティブな学習へと移行するのか、そしてその後の社会参画へどのようにつなげていくのか、その移行プロセスにおける地域社会を基盤とする公的支援枠組みを明らかにし、学校から弾かれる(リスクの高い)子どもたちの学習と積極的排除防止の枠組みにおける公共性を「包摂の中の排除」の視座から再検討することが目的である。 そのための視点として、第一に、地域社会のアクター(地方当局、民間団体や企業等)がどのように関わってきているか、第二に、キャリア・ガイダンスの提供において学校の自律性と公平性は両立できているか、第三に、支援における専門性の確保と連携は出来ているか、という3点を設定した。 2023年度は、研究対象である「支援の必要な子どもたち」について、その定義と範囲、そしてそのイギリス的特質を明らかにした。また、この「支援の必要な子ども」をめぐる個人支援の課題を、スクールカウンセリングとガイダンスの概要とその違いから考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、イングランドにおける「支援の必要な子ども」の定義に関する検討を進め、特に義務教育段階において停学・退学のリスクの高い子どもたち、そしてメンタルヘルスに問題がある子どもたちに対する学習や支援についてその枠組みや課題を明らかにしてきた。特に、個人支援の枠組みとその課題に焦点を当て、スクールカウンセリングとキャリア・ガイダンスの概要とその対象の違い、そしてこの個人支援の問題点を明らかにした。これらの状況について学会発表や論文等で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
これまで明らかになった支援の必要な子どもたちのキャリア支援枠組みについて、学校内外の連携体制および資金の流れを中心に全体的構図を明らかにする。そのため、これまで検討してこなかったフリースクールやスペシャル・スクール等、さまざまな学校種について検討を行う。また、包摂と排除の視点から、これらのさまざまな教育経路において、どの段階でどういった子どもたちが最も排除のリスクが高くなるのか、について理論的・実践的課題を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
急激な円安により予定していた訪英調査に対する予算執行が困難になった。そのため、2024年度に調査を行うこととした。
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