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2023 年度 実施状況報告書

Society5.0における主権者教育理論の構築 -メディア教育からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 23K02375
研究機関花園大学

研究代表者

中 善則  花園大学, 文学部, 教授 (70631232)

研究分担者 今宮 信吾  大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (60780236)
徳永 加代  帝塚山大学, 教育学部, 教授 (80806927)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード主権者教育 / シティズンシップ / NIE / メディア教育 / Society5.0 / 社会参加
研究実績の概要

本研究では、子どもが「メディア(新聞等)づくり」で得られる主権者教育の効果に着目した。様々な情報が溢れる時代にSociety5.0の実現を目指すため、メディアの活用を通してリテラシーを高め、市民社会を形成していく視点を、主権者教育理論の中に位置づける必要があるからだ。理論と実践の研究をスパイラルに進め、メディア教育のアプローチから効果的な主権者教育のあり方を明らかにし、新たな主権者教育理論の構築を目的とする。そこで、研究開始年度に当たる2023年度は、①「新聞づくり」の実践研究を、これまでの実践研究で得てきた成果と課題を踏まえ、より発展させていく、②①の成果を踏まえ、メディア教育のアプローチからの主権者教育理論を新たに構築する、③全国の子ども新聞の記者をつなぎ、相互交流の場をつくる、ことを中心に研究を進めることとした。本年度の最大の成果は、②の理論研究に着実な進展が見られたことである。具体的には、新聞を作り、発信をしても、現実社会は簡単に変革できるわけではないが、それでも、あきらめず、くじけずに発信を続ける学習者を「学び続ける主権者」と定義し、目指す主権者像を明らかにした。そして、「学び続ける主権者」を育成するために、どのような実践が必要であるかを考え、①の実践を行い、相応の成果を得た。また、③に関しては、複数の子ども新聞社をつなぎ、交流することができた。①~③ともに、2024年の研究課題も一層明らかになり、今後の研究の進展が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始年度に当たる2023年度は、①「新聞づくり」の実践研究を、これまでの実践研究で得てきた成果と課題を踏まえ、より発展させていく、② ①の成果を踏まえ、メディア教育のアプローチからの主権者教育理論を新たに構築する、③全国の子ども新聞の記者をつなぎ、相互交流の場をつくる、ことを中心に研究を進めることである。
②に関しては、概ね順調に進めることができた。ただ、①に関しては、実践フィールドとして計画していた小学校教諭が異動した。そのため、これまでのような実践を着任早々にできなかった面がある。そのため、①の理論を十分に検証する時間がやや不足した。2024年度は、着任2年目となり、新学期から実践も可能なため、その遅れは十分に回復できると考えている。

今後の研究の推進方策

研究体制をあらたに3つのテーマ別に再構成し、役割分担を明確にして研究を進めることとした。①主権者教育の実践、および理論構築班、②全国の子ども新聞のネットワーク構築班、③海外の主権者教育研究班とする。
そこで、各班が研究を進めながら、全体共有もきちんと行う体制を作った。
また、主たる研究メンバーを8名に拡大し、研究の充実を目指すことにした。
さらに、①の班を中心に2025年度末に発行する予定の研究報告書の骨子づくりを、今年度半ばまでには完成させ、その基本計画に基づいて、②③の研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

初年度、使用額が少なかった最大の理由は、PC等の機器の購入を減らしたことにある。
実践フィールドの小学校が変更したため、2023年度早々に、機材の購入をすることができなかった。2024年度も、可能な限り既存の機材で研究を行う予定にしている。その理由は、2024年度は海外の主権者教育の調査、および全国の子ども新聞のネットワーク化を図る計画である。そこで、2023年度分の残金は、そのための交通費等に充足する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Society5.0を見据えた新聞づくり-「学び続ける主権者」の育成を目指して2024

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 雑誌名

      日本NIE学会誌第19号

      巻: 19 ページ: 11-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] これからのNIEの発展のために-地域社会・新聞社との共同で成果をあげた学校関係者(協働による人材育成)として2024

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 雑誌名

      日本NIE学会誌第19号

      巻: 19 ページ: 21-25

  • [雑誌論文] 小学校国語科文学的教材における語彙指導の研究ー「お手紙」の教科書テキストを比較して2024

    • 著者名/発表者名
      今宮信吾
    • 雑誌名

      桃山学院教育大学研究紀要第6号

      巻: 6 ページ: 194-203

  • [学会発表] 「Society5.0を見据えた新聞づくり ―「学び続ける主権者」の育成を目指して―」2023

    • 著者名/発表者名
      中善則、徳永加代、今宮信吾、伊東広路、岡本健、高橋涼介ら
    • 学会等名
      日本NIE学会 自由研究
  • [学会発表] これからのNIEの発展のために-地域社会・新聞社との共同で成果をあげた学校関係者(協働による人材育成)として2023

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 学会等名
      日本NIE学会 シンポジウム「情報過多時代のNIE人材の育成」シンポジスト
  • [学会発表] 地域をも元気にする学校づくり-主権者の育成を通して2023

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 学会等名
      大阪府公立中学校長研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 図書館教育とNIE-深い学びを支える「学校図書館」の活用を!2023

    • 著者名/発表者名
      中善則
    • 学会等名
      第55回大阪府・大阪市合同学校図書館研究集会
    • 招待講演
  • [図書] 届きはじめたSOS: 人と人の間にあるものを考える2024

    • 著者名/発表者名
      花園大学人権教育センター編 (中善則)
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      批評社
    • ISBN
      9784826507448
  • [図書] 「はがき新聞のすすめ」2024

    • 著者名/発表者名
      今宮信吾
    • 総ページ数
      140
    • 出版者
      ミズノ兎ブックス
    • ISBN
      9784991342127

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公開日: 2024-12-25  

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