研究課題/領域番号 |
23K02456
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
中野 真志 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90314062)
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研究分担者 |
加藤 智 愛知淑徳大学, 文学部, 准教授 (00619306)
西野 雄一郎 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00850398)
金津 琢哉 東海学園大学, 教育学部, 教授 (20633522)
薄田 太一 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (40961967)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生活科 / 知性と社会性と情動 / SEL / DAP / プロジェクト・アプローチ |
研究実績の概要 |
2023年度は、「生活科における知性とは何か。また知性はどのように習得されるのか。」及び「生活科における知性と社会性と情動はどのような関係にあるのか。」という学術的な問題に関して、アメリカにおける「社会性と情動の学習」(SEL)、プロジェクト・アプローチ、および、乳幼児期の発達にふさわしい教育実践(Developmentally Appropriate Practice in Early Childhood Programs)だけでなく、イタリアのレッジョエミリア市の幼児教育の理論と実践に関する文献も収集し、それらを翻訳して分析と考察を行った。SELに関しては、小学校段階の代表的なプログラムとして、Caring School Community(CSC)、 Promoting Alternative Thinking Strategies(PATH)、Positive Action(AP)、Responsive Classroom(RC)等があることが明らかとなった。 プロジェクト・アプローチに関しては、レッジョエミリア市における幼児教育の理論と実践を参考にしながら、幼児教育だけでなく小学校教育までも射程にいれた理論研究と実践研究が積極的に推進されていることが明らかとなった。従って、それらを生活科における知性と社会性と情動の調和的育成に応用可能であるかどうかの検討を試みた。 加えて、本研究では生活科の学習活動における知性と社会性と情動の関係を解明することを目指しているため、奈良女子大学附属小学校及び富山市立堀川小学校を訪問して、この理論的枠組みと授業実践を参考にいくつかの授業実践を分析・考察した。そして、両小学校における研究対象となる教員と学級のいくつかの候補を見出すことができた。今後も両小学校を継続して訪問しながら、研究協力者を得る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に関する情報及び文献の収集、文献の翻訳は概ね順調に進んでいる。また、富山市立堀川小学校と奈良女子大学附属小学校へ研究情報の収集と授業観察のために何度か訪問して、いくつかの授業実践を分析・考察することができた。また、本研究に関して協力を得ることが可能な教員と学級を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度で明らかとなった理論研究の成果を基に、「生活科において、どのように知性と社会性と情動を調和的に育成するのか。」という学術的な問題を解明し、「生活科における知性と社会性と情動の学習のモデルプランはどのようなものか。」という学術的な問題に取り組むために、2023度と同様、社会性と情動の学習」(SEL)、プロジェクト・アプローチ、および、乳幼児期の発達にふさわしい教育実践(DAP)、さらに、レッジョエミリア市の幼児教育の理論と実践に関する文献も収集し、それらを翻訳して分析と考察を行う。また、奈良女子大学附属小学校及び富山市立堀川小学校を訪問して授業実践を観察し、分析・考察する予定である。併せて、可能であれば、実践者と子供へのアンケート調査とインタビュー調査を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、研究資料と情報の収集のために、2名の研究分担者等によるアメリカへの海外出張を予定している。しかし、現在、大幅なドル高円安に加えてアメリカの物価上昇の影響を受け、海外出張に必要な交通費及び宿泊費が高騰しているので、研究に関わる旅費が予定より大幅に増える見通しである。それを踏まえて他の支出から旅費に経費を回す必要があったためである。
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