研究課題/領域番号 |
23K02784
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
吉冨 友恭 東京学芸大学, 現職教員支援センター機構, 教授 (20355829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 流域 / 教育ツール / 教材開発 / 官学 / 共創 |
研究実績の概要 |
河川の事象を捉える基本単位に流域があるが、流域という概念自体が一般には浸透しているとは言い難い。流域治水や水循環、生物多様性の保全等に関する課題への理解を促すためには、流域の見方や見せ方の方法論の検討が必要とされる。本研究では流域思考の向上を目的に、その鍵となる流域の地形と流況に着目し、官学共創によって流域の捉え方と視覚化を検討した教育ツールの開発を行う。自然の災いと恵みをテーマに、河川管理者・研究者と教育関係者により現地調査やワークショップを行い、そこから生まれた教育ツールのモデルを示すとともに、教育ツールの開発作業を支援する共創の仕組みについて提案する。 本年度は、流域を題材とした教育ツールの現状の調査を行った。対象としたテーマやメディアは様々であったが、聞き取り調査及び事例収集により、多くの知見を得ることができた。 流域治水に先進的に取り組む大和川流域においては、国土交通省近畿地方整備局大和川河川事務所の協力により、流域治水の模型、広報ツールの調査を実施した。また、小学校での防災・河川環境教育を積極的に推進する狩野川流域では、国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所の協力により、流域をとらえた教材や授業計画の作成支援について調査を行った。さらに、内閣官房水循環政策本部事務局が作成した水循環教材「水のおはなし」の分析を行い、流域の表現方法について分析した。 河川は上流から下流まで単純化した一本のラインとして捉えることが多いが、流域の概念を伝える上では、樹木のように枝分かれした水系を捉えることが重要であり、本川と支川がつながる合流点が様々な事象をとらえる際に注目すべきポイントになることが確かめられた。また、河川断面を含む立体的な表現が土地の勾配や水の流れを表現する上で必要になることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
河川管理者等の協力により、流域を題材とした教育ツールの聞き取り調査及び事例収集を行うことができ、今後の教育ツールの開発に資する知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も河川管理者等の協力を受けながら、流域を題材とした教育ツールの聞き取り調査及び事例収集を行うとともに、具体的な教育ツールの試作にも取り組みながら、流域の見方や見せ方の方法の検討を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
河川管理者の協力により教育ツールの確認を効率よく行うことができたことにより、旅費の支出を抑えることができた。また、情報収集や分析の作業負担も減ったため、人件費や謝金の支出が少なくなった。繰越分については今後の現地調査や教育ツールの試作等に充てる予定である。
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