研究実績の概要 |
本研究では、A5052Al合金とS45C炭素鋼を被接合材とし、Al, Si混合粉末をインサート材としてパルス通電接合を行い、接合パラメータである(a) Ins材の厚さ、(b) Al, Si混合粉末混合比、(c) 圧粉応力、(d) 接合時の加圧力、(e) 電流、(f) 保持時間の影響を調べ、接合強度の最大値が得られる最適条件を探索する。その前提として、混合比の異なるIns材の電気抵抗率(or 導電率)を測定する。接合実験の後、界面観察、界面近傍のEBSD解析、接合強度評価と破断面観察・EDS組成分析・電気抵抗率測定を行い、接合メカニズムおよび接合強度に影響を及ぼす接合因子と易分離性を検討する。 実施したパルス通電接合実験の条件は次の通りである。被接合試料として直径20mm,高さ20mmの5052Al合金およびS45C炭素鋼丸棒材を、発熱材として,直径20mm,高さ10mmのカーボン治具を用いた。まず、Al粉末のみをインサート材とした条件として、圧粉荷重2条件、圧粉体厚さ2条件、接合温度(カーボン治具温度)2条件、接合保持時間2条件を変化させて組み合わせた6条件を設定した。パルス電流は3.5kA一定とした。次に、Al粉末にSi粉末を12mass%および6mass%混合した粉末をインサート材とし、接合保持時間2条件を組み合わせた3条件で接合実験を行った。接合後、継手より平行部長さ6mm、幅4mm、厚さ1.5mmの引張試験片を切り出し、接合強度を測定した。その結果、9条件のうち、Al粉末に6%Si粉末を混合したインサート材を用いた接合実験により、最も高い接合強度を得ることができた。
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