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2023 年度 実施状況報告書

牛乳・牛肉が有する機能性の追究:プリスタン酸による免疫調節作用の全容解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05525
研究機関宮崎大学

研究代表者

仲西 友紀  宮崎大学, 農学部, 准教授 (20717889)

研究分担者 菅本 和寛  宮崎大学, 工学部, 准教授 (10274771)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードプリスタン酸
研究実績の概要

プリスタン酸は牛乳や牛肉に含まれる分岐鎖脂肪酸であり、畜産物に含まれる新規機能性脂質として近年注目を集めている。本研究ではプリスタン酸の免疫調節作用に着目し、その全容解明を目指す。具体的な目標は、1)プリスタン酸が作用する免疫細胞の種類とその作用メカニズムを明らかにする,2)免疫疾患の動物モデルを用いて有効性を実証する,の2点である。また、牛乳・牛肉中のプリスタン酸に2つの異性体(R体とS体)があることを考慮し、両者の免疫調節を別々に調べる。プリスタン酸の免疫調節作用を明確化し、また牛乳・牛肉中に増強すべき異性体がR体とS体のうち、どちらなのかを明らかにすることが、本研究の目的である。
R5年度はまず、R体とS体のジアステレオ混合物の合成を試みた。2E, 7R, 11R-フィトールを3RS, 7R, 11R-ジヒドロフィトールに還元し,更に,超原子価ヨウ素を用いた減炭素反応でプリスタン酸のジアステレオ混合物を取得した。また、プリスタン酸の機能性評価を開始した。具体的には、マウスの脾臓細胞をR体とS体のジアステレオ混合物の存在下で培養し、phytohemagglutininで刺激することでT細胞系サイトカインの産生を促した。その後、インターフェロン(IFN)-γやインターロイキン(IL)-17などのサイトカインの産生量を定量的PCR法で測定した。
R体とS体のジアステレオ混合物の合成に成功した。また、R体とS体のジアステレオ混合物を用いた機能性評価によって、プリスタン酸がIFN-γやIL-17の産生を抑制することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

プリスタン酸が(IFN)-γやインターロイキン(IL)-17などのサイトカインの遺伝子発現を抑制することを定量的PCR法で明らかにしたが、この作用をタンパク質レベル(ELISA)で確認するには至らなかった。また、プリスタン酸の免疫調節作用のメカニズムの解明にも取り組んだが、明確な結果は得られておらず、R体とS体の異性体別評価も十分には進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

R体とS体と異性体別評価を進め、免疫調節作用のメカニズム解明にも取り組む。また、細胞培養レベルでの作用検討に加えて、動物個体レベルでの作用の調査に着手する。

次年度使用額が生じた理由

実験機器(CO2インキュベータ)の故障によって、プリスタン酸の機能性評価を中断した期間があった。当該期間は消耗品の購入を見送ったため、次年度使用額が生じた。故障機器の代替機を入手済みであり、2023年度に実施できなかった内容は2024年度に実施する。

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公開日: 2024-12-25  

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