研究課題/領域番号 |
23K05890
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
松林 圭 酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (60528256)
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研究分担者 |
阿部 誠 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70414357)
藤山 直之 山形大学, 理学部, 教授 (90360958)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生態的種分化 / 雑種種分化 / 寄主植物 / 忌避 / 二次代謝物質 |
研究実績の概要 |
研究初年度は諸事情あって飼育実験が困難であったため、野外調査以外では飼育や食性試験のための環境準備と、集団遺伝学的解析のベースとなるSSRマーカーの作成を行った。 野外では、これまでより広い範囲に渡って北海道南部のルイヨウマダラテントウの分布調査を行い、小規模ながら新たな小集団を発見した。一方、過去に分布が確認されていた一か所で植林の伐採により集団が見られなくなっていた。 実験環境の準備としては、これまで維持管理していた実験用植物であるセイヨウヤマホロシの他に、北海道南部地方からミネアザミを移植して育成した。SSRマーカーはゲノム情報の得られている近縁なヤマトアザミテントウの全ゲノム配列から2塩基繰り返しモチーフの配列を探し、20個の候補配列とプライマーを作成して、多型のあるマーカーを12個選定した。その後、今回の計画で用いるルイヨウマダラテントウでこの12個のマーカーの多型性を調査している。このSSRマーカーは植食性テントウムシで初めて得られるタイプのマーカーであり、安価に集団分化の程度や遺伝子流動を調査するために有用なツールとなるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属大学の異動によって研究環境が大きく変わったため、初年度にテントウムシの飼育が行えなかった。そのため本年度は主にテントウムシの飼育設備や食性実験に用いる食草の準備に充てた。具体的には新しい所属機関で恒温の飼育室が使用できなかったため、インキュベーターを入手する必要があったほか、共通実験室の機器類も乏しかったため、DNAを扱うための機材を一通りそろえた。また室内での分子実験としてDNAを用いた集団遺伝解析のベースとなるSSRマーカーの作成を行った。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に一通りのセッティングができたため、次年度からは当初の予定通り食性に関わる二次代謝物質の検出を始める。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に飼育実験ができなかったことにより、当初予定していた消耗品等の購入を次年度に繰り越したため。
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