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2023 年度 実施状況報告書

耐性、依存性の無い鎮痛薬を志向したμ-δ受容体作動薬の創製とμ-δ受容体機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06831
研究機関北里大学

研究代表者

平山 重人  北里大学, 薬学部, 助教 (40565842)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードμ-δ受容体
研究実績の概要

キノキサリン誘導合成の重要中間体である17位NH体を取得する際に窒素置換基にBn基を有する誘導体を合成し、水素添加反応を行い、脱Bn反応を行っていた。しかし、この脱Bn反応の際にキノキサリン環が還元されるようになり、新たな合成経路の構築が必要になった。そこでBn基の代わりとなる置換基を検討することとし、Cbz基を導入し、キノキサリン環の構築、ならびに脱Cbz化を行うこととした。これまで同様にCbz基を有するヒドロキシイミノ体を合成し、AcOH中でフェニレンジアミンを反応させたが、反応は進行しなかった。文献調査を行ったところ、p-キシレン中、炭酸カリウムを用いてジケトンとフェニレンジアミンを反応させ、キノキサリン環の構築を行っている報告を見つけた(Chem. Commun., 2020, 56, 5997-6000.)。そこで塩基性条件でのキノキサリン環構築を検討することとした。まず初めに窒素置換基にシクロプロピルメチル(CPM)基を有するジケトン体を合成し、同様の条件に附したところ、酸性条件下において生じる副生成物である脱水体を生成することなく、所望のキノキサリン環を構築することができた。続いて、これまでの合成法と同様に窒素置換基にCPM基を有するヒドロキシイミノ体を用いて同様の反応を行ったところ、キノキサリン環の生成を確認した。そこでCbz基を有するヒドロキシイミノ体を用いて検討を行ったが所望のキノキサリン環化体は得られなかった。現在は別の合成経路を見出すべく検討を行っている。また、結果の詳細を示すことはできないが、親化合物であるSYK-663の運動機能への影響や鎮痛作用などin vivoでの検討が開始できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

親化合物であるSYK-663のin vivoでの検討が開始でき、薬理作用等が判明することは今後の構造展開の1つの指針となるため、良い状況であると考えられる。しかし、当初の計画では窒素置換基を変更した誘導体を合成することになっていたが、未だNH体の合成条件を確立できていないため。

今後の研究の推進方策

誘導体合成の要であるNH体の合成経路の確立を第一の目標とし、検討を重ねる。もし、問題点を解決できない場合はBn体の水素添加反応を副生成物が発生する前に途中で止め、NH体を得ることとする。また、窒素置換基の変更のみならずキノキサリン環上に置換基を導入する計画を進める。

次年度使用額が生じた理由

今年度の当初の予定ではμ-δ受容体拮抗薬D24M (サプライヤ: Glixx Laboratories)を購入する予定であったが、59万円/100 mg (研究費の66%)と非常に高価であった。そこでD24Mの合成者に連絡を取り、供与の可否についての交渉に時間がかかり、執行に大きなずれが生じてしまった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] μ-δオピオイド受容体ヘテロダイマー選択的アゴニスト創出を志向したCYM51010類縁体の構造活性相関2023

    • 著者名/発表者名
      山田脩馬, 渡邊彩花, 吉田遙香, 稲垣美紅, 渥美菜穂, 松嶋あおば, 髙橋直樹, 染谷僚人, 芦澤夏鈴, 田口あい, 加賀谷 龍, 大島佳織, 野中美希, 宮野加奈子, 唐木文霞, 平山重人, 伊藤謙之介, 上園保仁, 藤井秀明
    • 学会等名
      第42回 鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム
  • [学会発表] μ/δ二量体オピオイド受容体作動薬SYK-663の薬効薬理評価2023

    • 著者名/発表者名
      妻鳥日向子, 平山重人, 宮野加奈子, 野中美希, 松浦航太, 山内つぐみ, 藤塚亮次, 林 侑, 白倉慎太郎, 山田大輔, 藤井秀明, 上園保仁, 斎藤顕宜
    • 学会等名
      第42回 鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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