研究課題/領域番号 |
23K07246
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
横山 忠史 金沢大学, 附属病院, 講師 (00837362)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Nrf-2 / HO-1 |
研究実績の概要 |
1) 研究のための倫理申請書類の準備 本研究を遂行するにあたり、倫理申請の書類を準備している。本研究では、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)の患者を対象にしている。一方、年齢分布を一致させた対照群からの検体採取を必要とする。したがって、健康な小児からの血液検体をどのように得るかが問題点となっている。現在、関係各所との議論と調整を重ねている。 2) sJIA患者における末梢血単核球(PBMC)の分離 sJIA患者については受診日に通常診療の血液検査を行うが、その残検体を用いてPBMCの採取を行なった(残余検体を用いた免疫学的解析の倫理申請許可による)。PBMCの採取はフィコール法によって行い、細胞数を調整したのちに遠心し上清を取り除いて、細胞ペレットとして-80℃で保存した。 3) コントロールPBMCのIL-18刺激 上記2)と同様に、パイロットの検討として、健常成人からPBMCを採取した。こちらについては、採取後そのまま細胞ペレットとして保存したものと、各種濃度の異なるリコンビナントIL-18で刺激したあとに、刺激した細胞を洗浄したのちにペレットとして保存したものを準備した。 現在は、これらの保存検体を用いて、細胞溶解液を作成している。本検体を用いて、Nrf-2とHO-1について、Western blottingにて検出するための最適な抗体の種類、メンブレンの種類、バッファーの種類、泳動時間、メンブレンの染色方法などの条件設定を行っている(パイロットスタディーとして)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1) sJIA患者のコントロールが良好であり、受診頻度が数ヶ月に1回となっており、対象となる適切な検体が十分得られていない。 2) 健常な小児からどのように血液検体採取をお願いし、いただくかについて、その方法を議論中である。 3) Western blottingの適切な条件が見つかっていない。 4) 2024年年始からの、震災対応に追われて、エフォート比率を下げざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
1) 関係各所との調整を行い、健常小児から血液検体を採取する方法を定め、倫理申請とその許可を得るための方策を推進する。 2) 現状で得られたわずかな残余検体を用いて、Western blottingの適切な条件設定を繰り返し、不備のある試薬や抗体は、新たに購入するなどして補完する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の購入とその試薬が最適かどうかの確認を繰り返しているため。 1) 研究のための倫理申請書類の準備については、本年前半中に倫理申請できる見込みである。2) sJIA患者における末梢血単核球(PBMC)の分離については、現状は残余検体をパイロットとして利用しているが、研究計画の承認以降は、保護者への同意と対象者自身へのアセントを以て、本研究のために単独でサンプル採取を行う。3) コントロールPBMCについても2)と同様である。 本年度は、Western blottingの条件設定が確定する予定であり、その後、倫理申請の承認とともに、本格的な研究を行う予定である。
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