研究課題/領域番号 |
23K07311
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
荒木 亜寿香 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (80403442)
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研究分担者 |
長谷川 孝一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (20546783)
桑子 賢一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30468475)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アデノ随伴ウイルス / 乳児期発症神経変性疾患 / 遺伝子治療 / 低侵襲 / CCP1 |
研究実績の概要 |
研究の目的は、低侵襲的に中枢ニューロンに遺伝子導入が可能なアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いて、CCP1神経変性疾患モデルマウスに正常機能型CCP1を発現させて、その病態進行を抑止できるかどうかを明らかにすることである。そのためにCCP1 神経変性疾患由来変異(R799CおよびQ856*)モデルマウスを作製してその病態を解析し、予想通りCCP1タンパク質変異そのものに病気の原因があるかどうかを検討する。さらに、AAVによる正常機能型CCP1の生体内遺伝子導入を行って治療効果を検証する。
CCP1神経変性疾患の遺伝子変異のうち、脱グルタミル化酵素ドメイン付近のミスセンス変異(R799C)とナンセンス変異(Q856*)についてタンパク質安定性および脱グルタミル化酵素活性に関する検証を行った。まず、HEK293細胞に野生型または変異型CCP1を発現させてプロテアソーム阻害剤の存在・非存在下で培養し、タンパク質発現量を調べたところ、変異型CCP1、プロテアソーム阻害剤の存在・非存在下に関わらず、不安定性であった。次に、野生型または変異型CCP1を発現させて脱グルタミル化チューブリンの発現量を調べたところ、変異型CCP1を発現する培養細胞では脱グルタミル化チューブリンの発現量は低下しており、変異型CCP1が脱グルタミル化酵素活性を喪失させ、細胞変性を引き起こす可能性が明らかとなった。
上記のCCP1遺伝子変異に相当する点変異(ヒトR799C→マウスR791C、ヒトQ856*→マウスQ848*)をもつ遺伝子改変マウス(CCP1 R791CおよびQ848*マウス)をiGONAD法によって作製した。それぞれのマウスにおける小脳プルキンエ細胞をはじめとした神経細胞数の減少、フットプリント法やローターロッドによって運動失調の解析を行い、遺伝子治療前のこれらのマウスの病態解明を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
点変異(ヒトR799C→マウスR791C、ヒトQ856*→マウスQ848*)をもつ遺伝子改変マウス(CCP1 R791CおよびQ848*マウス)をiGONAD法によって作製した。まず上記の各変異を持つヘテロ接合体を作製し、それぞれのヘテロ接合体同志を交配しホモ接合体を得ている。しかしアデノ随伴ウイルス感染実験を行うための、CCP1遺伝子改変マウスを十分な匹数を得ることに時間がかかっており、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きアデノ随伴ウイルス感染実験を行うための、CCP1遺伝子改変マウスの作製を安定的に継続していく。正常機能型CCP1を発現するアデノ随伴ウイルスを作製し、CCP1遺伝子改変マウスへ感染させ、その効果を検証する目的で行動解析および形態学的解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に必要な動物飼育費に使用する計画である。
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