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2023 年度 実施状況報告書

心筋線維症の細胞分子病態の解明と遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K08276
研究機関自治医科大学

研究代表者

白石 学  自治医科大学, 医学部, 准教授 (10438658)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード心不全 / 心臓肥大
研究実績の概要

TACは左室後負荷を作成する動物モデルとして確立され、ヒトにおける高血圧や大動脈弁狭窄症といった基礎疾患を原因とした心筋症の病態メカニズムの解明や治療薬開発に使用されている。ヒトではこれらの基礎疾患の治療により左室後負荷が軽減されると、ある程度心肥大や心筋線維化が改善することが知られている。しかしながら動物実験モデルにおいてTACにより作成した左室後負荷を後に解除して左室後負荷を軽減する実験プロトコールは確立されておらず、TAC解除による左室後負荷の軽減が、心機能と組織学的な変化に与える影響とその制御機構はこれまでに報告されていない。
本研究では、ラットのTAC解除モデル確立し、TAC解除による心臓の機能的、構造的、組織的変化を特徴付け、その制御機構の一端を解明した点に独創性がある。sham群、TAC群、TAC解除群に分け、生理的・組織学的評価を行った。TAC群は重度の心筋肥大と心筋線維化を伴う拡張機能不全、血管新生の促進を呈した。一方でTAC解除群ではTAC群でみられた心筋肥大と線維化が軽減し、拡張障害が改善した。遺伝子発現解析でもTAC群、TAC解除群それぞれの心筋肥大、心筋線維化、血管新生の組織学的変化を反映した結果となった。TAC解除による左室後負荷の軽減に伴う組織学的な変化の主要制御因子の一つとしてRegulator of calcineurin 1(Rcan1)を網羅的遺伝子発現解析の結果から同定した。更にsilencer RNAを用いたRcan1 knock downによりRcan1遺伝子の機能の検証を行った。TAC解除モデルは左室後負荷の軽減に伴う心機能、組織学的変化の可逆性メカニズムの解明に有用であり、Rcan1は可逆性メカニズムの主要制御因子の一つであることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り実験が進行している。

今後の研究の推進方策

論文作成を進め、必要な追加実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験の進捗に伴い、追加実験が必要が必要となったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ラット横行大動脈狭窄解除法による左心室後負荷軽減モデルのプロファイリング2023

    • 著者名/発表者名
      白石 学
    • 学会等名
      第76回日本胸部外科学会定期学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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