研究課題/領域番号 |
23K08861
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山崎 玲奈 金沢大学, 附属病院, 講師 (80507062)
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研究分担者 |
寺川 裕史 金沢大学, 附属病院, 助教 (10824998)
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 教授 (30767249)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | タモキシフェン |
研究実績の概要 |
(1) 前方視的観察研究による子宮内膜異常病変の病態解析 (2023-2025年度) 現在金沢大学ではホルモン感受性でHER2陰性の乳癌治療は術後TAM単独投与のみ、術後初期にGn-RH analog併用、術前に化学療法施行の3つのプロトコールが標準治療として選択されている。TAM単独投与中をPhase Iとし、Gn-RH analog併用中にTAMを投与している期間をPhase IIとして化学療法の有無でPhase II-1とII-2に分類して解析に用いた。手術後から乳腺外科での術後健診時期にあわせて産婦人科でも超音波スクリーニング検査を行う。Phase Iでは血中ホルモン値、発育卵胞の数と大きさ、および子宮内膜の厚さと形状について経時的に観察した。子宮内膜の異常が疑われた症例では血中の性ホルモン測定とともに内膜を生検して病理組織学的に悪性変化の有無を検索した。またPhase IIでは子宮内膜の変化に加えて子宮頸部細胞診のmature indexを用いて頸部上皮細胞に対するTAMのエストロゲン様の分化誘導作用とその反応の個人差を評価した。すでに金沢大学では倫理委員会の承認(承認番号1928-2)のもとに前方視的観察研究は進行中である。
(2)TAM使用時の卵巣予備能と子宮内膜病変の解析 TAMの卵巣保護作用を解析する目的で、TAMを使用した上記(1)のプロトコールの患者とホルモン非感受性で化学療法のみでTAMを使用しなかった患者における経時的な採血検査にAMH値の測定を追加して、AMH値の変化に対するTAMの影響を検討することが進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者子宮内膜の形態的および遺伝子変化とマウス子宮の着床能の変化を観察が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
TAM特有の子宮内膜変化、遺伝子変化をあらゆる可能性から考えて網羅的に変化を抽出し、特有変化を明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、観察研究が主であり、材料費、実験費があまりかからなかった。次年度は遺伝子解析など、費用がかかる研究を進めていくため、その分費用が必要となる。
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