研究実績の概要 |
本研究では,癌関連ECMと仮定するLH2-Colとその細胞亜集団の実質的機能の実体を解明し,癌関連ECMと癌細胞の両方に着目した選択的で効果的な癌転移治療薬の開発を目指す. LH2強制発現OSCC細胞株 (oeLH2細胞)を作成し, LH2の発現状況の確認をqRT-PCR 法およびWestern blot法にて確認した. さらに,LH2強制発現OSCC細胞株とoeMock細胞にて多角的な機能解析 (細胞増殖能試験/浸潤能試験/遊走能試験) を行い,悪性度の変化について評価した. その結果, oeLH2細胞にて細胞増殖能・浸潤能・遊走能の有意な亢進を認めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は, 目的遺伝子の塩基配列を組み込んだベクターの作成を行った. 次に, 目的のベクターを取り込み安定発現している細胞の選択を行うため抗生物質を用いた選択濃度の決定, およびトランスフェクション効率の向上のため予備実験としてトランスフェクション条件の検討を行った. その後, Lipofectamine2000を用いてOSCC細胞(MOC1, Sq-1979)にベクターのトランスフェクションを行い, 前述の選択濃度にてLH2高発現OSCC細胞株を樹立した. 安定発現株についてはqRT-PCR 法およびWestern blot法を用いてLH2の発現状況を確認し, oeLH2細胞を樹立した. さらに, 樹立したLH2高発現OSCC細胞株の細胞増殖能・浸潤能・遊走能等の多角的な機能解析を行い, その悪性度について評価した.
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