研究課題/領域番号 |
23K10138
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
蛎崎 奈津子 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (80322337)
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研究分担者 |
遊田 由希子 (藤村由希子) 岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (90336438)
西里 真澄 岩手医科大学, 看護学部, 講師 (30752274)
高橋 淳美 岩手医科大学, 看護学部, 講師 (30465794)
伊藤 奏瑛 岩手医科大学, 看護学部, 助手 (20963359)
黒沢 悠 岩手医科大学, 看護学部, 助手 (50983756)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 保健・医療情報 / 周産期医療 / 母子保健 / ネットワークシステム |
研究実績の概要 |
現在、日本では児童虐待や産後うつ病、育児不安等に関連する産後1年未満の自殺など母子の生命に関わる重大な社会問題が顕在化している。妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない母子支援においては、特に支援主体となる機関が移行する際の情報共有に課題が多い。特定妊婦に代表される複雑な多重課題を抱え介入の緊急性が高い事例への実効性のある支援においては、タイムリーかつ具体的で網羅的な情報が不可欠である。児童虐待や産後の自殺など、生命の危機に関する重大事象を防ぐためにも、医療機関と自治体間の情報共有のあり方は喫緊の課題である。 そこで本研究では、周産期医療を担う医療機関と自治体間での保健・医療情報の共有ネットワークシステムの推進に向け、令和5年度はまずは先行知見の整理を行った。実施した文献整理を通し、日本では母体・新生児搬送などでの円滑な情報共有を目的とした医療機関同士の周産期医療情報システムが稼働しているものの、医療機関と自治体間での保健・医療情報の共有システムは発展途上であることが改めて明らかとなった。また特定妊産婦等に対する自治体における情報共有に関する先行研究からは、医療機関と自治体間での連携においては持続可能な体制整備とともに、「切れ目のない」のみらなず「情報共有の迅速化」や「共有する情報の質量の担保」が共通する課題であることが示唆された。 この結果をもとに、全都道府県市町村母子保健担当部署を対象とした実態調査に向けた計策策定を行い、研究倫理審査の受審および研究実施の許可を得た。これにより令和6年度には保健・医療情報共有方法とネットワークシステムの実態を課題と共に把握することを目的とした実態調査を実施することとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は概ね計画通り、先行知見の整理とそれに基づく自治体を対象とした調査計画の策定を行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は自治体を対象とした実態調査の実施を予定している。加えて保健医療情報共有ネットワークシステムが運用されている岩手県内の医療機関を対象とした実態調査の計画策定を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会や研修会がオンライン開催となったこと等から旅費の支出が不要となった。また調査実施が次年度になったことから郵送費やデータ入力に係る人件費が次年度への使用計画に変更となった。
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