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2023 年度 実施状況報告書

受動的張力の低下抑制を介して,伸張性収縮後の能動的張力の低下を緩和できるか?

研究課題

研究課題/領域番号 23K10714
研究機関広島大学

研究代表者

和田 正信  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (80220961)

研究分担者 渡邊 大輝  大阪体育大学, 体育学部, 助手 (30823281)
松永 智  京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (70221588)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードタイチン / 受動的張力 / 筋疲労 / 能動的張力 / 伸張性収縮
研究実績の概要

2023年度には,伸張性収縮 (eccentric contraction: ECC) が,カルパインの量,タイチンの量,能動的張力,受動的張力および筋原線維のCa2+感受性に及ぼす影響について検討した.ラットの腓腹筋に200回のECCを負荷した3日後に筋を摘出し,生化学的分析および生理学的分析を行った.全筋および単一筋線維を用いた実験から,ECCが負荷された筋では,(1) カルパイン3が活性化されること,(2) 分解されたタイチンの量が増加すること,(3) Ca2+依存性最大張力が低下すること,(4) 受動的張力が低下すること,(5) 筋原線維のCa2+感受性は,サルコメア長 (sarcomere length: SL) 2.4 μmでは変化しないが,SL 3.0 μmでは低下することが明らかとなった.これらのことから,タイチンによる受動的張力が能動的張力に影響を及ぼしていることが示唆された.また,タイチンの分解を抑制できれば,ECCに伴う能動的張力の低下が軽減されるものと推察される.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り,順調に実験を行うことができた.また,概ね予想された結果を得ることができた.

今後の研究の推進方策

2023年度に行った実験では,速筋線維が対象であった.速筋線維と遅筋線維とでは,含まれるタイチンのアイソフォームは同一であるが,タイチンの長さが異なるため,受動的張力も異なる.したがって,ECCに対する反応も速筋線維とは異なる可能性がある.2024年度には, ECCがカルパインの量,タイチンの量,能動的張力,受動的張力および筋原線維のCa2+感受性に及ぼす影響について, 遅筋線維が70~90%含まれるヒラメ筋を対象に検討する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Arginine ingestion inhibits phagocyte invasion in eccentrically contracted rat fast-twitch muscle2024

    • 著者名/発表者名
      Kanzaki, K, and Wada, M.
    • 雑誌名

      J. Muscle Res. Cell Motil.

      巻: Open access ページ: Open access

    • DOI

      10.1007/s10974-024-09672-w

    • 査読あり
  • [学会発表] The effects of eccentric muscle contraction on titin stiffness-related contractile properties in rat fast-twitch muscles2023

    • 著者名/発表者名
      Shi, J., Watanabe, D., and Wada, M.
    • 学会等名
      52nd European Muscle Conference
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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