研究課題/領域番号 |
23K10799
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森 博康 徳島大学, 先端酵素学研究所, 講師 (80611772)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サルコペニア / 茶カテキン / 運動 |
研究実績の概要 |
これまでに、高齢者へのレジスタンス運動や必須アミノ酸摂取は骨格筋量や筋力増加の有効性が確認されている。しかし、これまでに茶カテキンの摂取が高齢者の骨格筋量や筋力増加の有効性は明らかとなっていない。本研究の目的は、レジスタンス運動後に摂取する必須アミノ酸と茶カテキンの併用介入が、健常な高齢者の骨格筋量や筋力、歩行機能に与える効果を介入試験で検証することである。地域在住の健常な高齢者を対象に週2回レジスタンス運動を行う群、レジスタンス運動後に必須アミノ酸を摂取する群、レジスタンス運動後に必須アミノ酸と茶カテキンを摂取する群の3群へ無作為に割り付けた。なお本研究では、糖尿病や腎臓病、サルコペニアに該当する対象者はあらかじめ研究から除外した。必須アミノ酸または茶カテキンはミネラルウォーターに溶解し、レジスタンス運動後に摂取するよう求めた。レジスタンス運動は、ゴムバンドや自体重を用いて低・中等強度の負荷で実践するよう求めた。介入期間は24週間とし、主要アウトカムは骨格筋量、副次的アウトカムは握力、膝伸展筋力、歩行速度、健康関連QOLとした。介入期間、介入に伴う明らかな有害事象は発生しなかった。介入開始時と比べ、介入終了後、3群共に骨格筋量と筋力、歩行速度が有意に増加した。また、介入開始時と比べ、介入終了後、運動群と、運動+必須アミノ酸+茶カテキン群は身体的QOLが有意に増加した。しかし、各アウトカムの介入前後の変化量を3群間で比較したところ、有意な違いを認めなかった。本研究より、レジスタンス運動後に摂取する必須アミノ酸と茶カテキンの併用介入による骨格筋量や筋力、歩行機能への有効性を明らかにすることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度までに、地域在住の健常な高齢者を対象としたランダム化比較試験を実施している。介入試験を進めるための運動プログラムと食事管理マニュアルも作成し、研究説明を順調に進めることが出来た。また、介入試験に必要なアウトカムの収集も行っている。そのため、研究計画通りに進んでおり、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究結果について、対象者背景をもとにした詳細な層別化解析を行う。 2024年度に予定しているランダム化比較試験に向けて研究を計画している。対象となる虚弱高齢者の選定と研究説明を行う。そのため、兵庫県内の3つの市町村の高齢者サロンなどで研究説明を行う予定である。 また、研究協力者への介入試験の協力依頼を行っている。現在は兵庫県内で高齢者対象に運動指導を行っている、一般社団法人副代表(研究協力者)と共に運動と食事マニュアルの作成を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
筋機能を計測する超音波エコー機器を物品購入することが出来ず、次年度使用額が生じた。 翌年度分として請求した研究費と合わせて、測定結果を集積するための専用ノートパソコンを購入する。 また、2023年度の介入研究では、運動実践率が低い対象者が散見されたので、今後の研究課題として運動遵守率の向上を目指す必要があった。2024年度の介入研究では、レジスタンス運動以外のレクレーション運動を取り入れた運動器具を新たに購入する予定である。
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