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2023 年度 実施状況報告書

生理的老化から加齢性疾患発症への転換機序解明のための完全ヒト化 p53 マウスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K10887
研究機関秋田大学

研究代表者

藤田 香里  秋田大学, 理工学研究科, 講師 (10633092)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードp53 isoform / p53 / 老化 / 加齢性疾患 / 完全ヒト化 p53 マウス
研究実績の概要

超高齢化社会の我が国おいて、健康寿命延伸は重要な課題である。課題解決には、生理的加齢変容から加齢性疾患発症への転換となる時期と機序の解明が必要である。申請者は癌抑制遺伝子 TP53 の isoform のうち、2つの isoform がヒトの加齢状態で発現変動すること、加齢性疾患発症時にはさらに発現変動を起こすことを報告している。そこで本研究は、生理的加齢変容から加齢性疾患発症へと続く一連の機序解明のため、このヒト p53 isoform の発現変化を利用し、ヒト TP53 遺伝子をマウス Trp53 遺伝子領域にノックインした完全ヒト化 p53 マウスを開発する。作製したマウスの加齢変容とヒト p53 isoform の発現変化の相関を、各種老化マーカーの発現解析と組織学的手法による組織加齢変性を検証することを目的としている。
R5年度は、BAC (Bacterial Artificial Chromosome : 細菌人工染色体)を用いた置換領域の決定を行った。これは、ヒト TP53 遺伝子は、WRAP53 遺伝子とエクソン1同士が重なる形で逆向きに位置しており、Wrap53 分子は、p53 の転写・翻訳調節を行っているという報告もある。従って、単純にマウス Trp53 遺伝子をヒト TP53 遺伝子に置換しただけでは、isoform を含めヒト p53 の転写・翻訳調節を再現することができないと予想されため、WRAP53 遺伝子の必要最低限領域を決定する必要がある。そこでヒト染色体17番p13.1の TP53 及び WRAP53 遺伝子領域が含まれたBAC クローンを用いて、λRED 相同組換え法により WRAP53 遺伝子の段階的欠失体の作製を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

BACの相同組換え用カセットのコンストラクトは予定通り完成した。λRED 相同組換え法による相同組換えを数回繰り返したが、なかなかカセットと組み換わったBACを取得できなかった。これは、WRAP53領域の長さが20 kbと長いことが原因だと考えており、方針を変えてCRISPR/Cas9システムとλRED 相同組換えとの融合システムに切り替えた。λRED 相同組換法単独よりも、相同組換え頻度が上昇している。

今後の研究の推進方策

まずは、CRISPR/Cas9システムとλRED 相同組換えとの融合システムによる改変BACの取得が急務である。
さらに、老齢マウスより、種々の臓器から線維芽細胞を取得済みであるので、細胞に改変BACを導入して、マウス細胞でのヒトp53 isoformの発現をqPCRやwestertn blot法により確認する。その後、マウスES細胞でのTrp53領域の組換えを進める。

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公開日: 2024-12-25  

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