• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

グラフィカルなプログラミング環境の対象領域拡大の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11350
研究機関香川大学

研究代表者

香川 考司  香川大学, 創造工学部, 准教授 (50284344)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードプログラミング教育 / 数学 / スマートデバイス / オブジェクト指向 / Web
研究実績の概要

スマートデバイスのセンサーを利用する機能として、加速度センサー(devicemotion イベント)とジャイロセンサー(deviceorientation イベント)を利用して、画像(静止画)を作成するプロトタイプの実装を行い、得られる画像の質が使用目的にかなっているかを検討した。
Blockly から利用できる数学ライブラリーとして FLINT (https://github.com/flintlib/flint/) を利用したタートルグラフィックスライブラリーを実装した。FLINT は C 言語のライブラリーであるが、Emscripten (https://emscripten.org/) という WebAssembly をターゲットとする処理系でビルドすることによって Web ブラウザー上で動作するプログラムから利用できるようにした。FLINT の中の無限精度の有理数を表現できる型でカメの向きを、ca_t という代数的数を表現できる型でカメの位置を表すことによって、有理数や根号などを含む式を正確に計算することができることを確認した。また、この実装の実行速度を計測し、30°や36°などのよく使われる角度を使用する限りにおいては、線分を1000個以上含むような図形を描く場合でも実用上十分であることを確認した。
サーバー側として、プログラムのコンパイル・実行の頻度などを記録する機能、ソースコードの冗長な形などの悪形を検知する機能を実装している。これらは現在は C 言語向けに実装しているが、本研究の対象である JavaScript, Python などにも適用できる部分が多いと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

スマートデバイスのセンサー利用に関しては、プロトタイプ実装で確認したところ、加速度センサーとジャイロセンサーの検知の頻度が粗く調整も難しいため、当初予定していたように線画データの生成に利用するには難しいことが判明した。このため、線画データに対しては別の方策を検討する必要が生じた。
オブジェクト指向への対応に関しては、Haskell をターゲットとするオブジェクト指向言語を構想しているが、まだ実装に着手できるほどの設計の完成度には至っていない。

今後の研究の推進方策

スマートデバイスのセンサー利用に関しては、加速度センサーとジャイロセンサーは主にアニメーションの効果に利用することとし、代わりに手書き入力やペン入力をもとに筆圧 (pressure) の情報も利用することを検討する。
オブジェクト指向言語の設計に関しては、分割コンパイルを考慮せずにすべてのソースファイルを一つにまとめる方式で、オブジェクト指向を取り入れた Blockly アプリケーションを実装することを検討している。考察の結果、いずれにしても完全な分割コンパイルが難しいことがわかってきたことと、初心者向けのシステムであるため、分割コンパイルが必須となるほど大きなプログラムが考えにくいため、この簡易な方式であっても実用的になる可能性が高いと判断したためである。
数学に関するライブラリーは中学・高校に加え、統計や代数学など大学で学習する範囲の追加も検討する。モジュール登録部については、引き続き設計を検討する

次年度使用額が生じた理由

旅費の使用が当初の予定より少なかった。スケジュールの都合で会議に遠隔参加としたため、国内旅費を使用しなかったことと、進捗の遅れのために海外旅費とクラウド利用料金が発生しなかったためである。そのため、令和 6 年度に購入予定だった Android タブレットを一部 ChromeBook に変更して先回しに購入したが、それでも差額が生じた。
当初予定では、Windows 搭載機を令和 7 年度に 5 台購入予定だったが、令和 6 年度に購入する予定である。令和 6 年度に購入予定だったタブレットのほとんどを令和 5 年度に購入できたためである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Implementation of a Graphics Library for Novice Learners using a Number Theory Library2024

    • 著者名/発表者名
      Koji Kagawa
    • 学会等名
      the 16th annual International Conference on Education and New Learning Technologies (EDULEARN24)
    • 国際学会
  • [学会発表] Development of a Learning Support System for Improving Metacognition in Programming Exercises2024

    • 著者名/発表者名
      Teppei Oyama, Koji Kagawa
    • 学会等名
      16th International Conference on Learning Technologies and Learning Environments (LTLE 2024)
    • 国際学会
  • [学会発表] 調査項目の拡張しやすさを考慮したソースコード解析システムの構築2023

    • 著者名/発表者名
      小方 亮人、香川 考司
    • 学会等名
      教育システム情報学会第48回全国大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi