研究課題/領域番号 |
23K11855
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
板倉 祥子 東京理科大学, 薬学部薬学科, 助教 (20787387)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 細胞外小胞 / 植物由来 / ドラッグデリバリーシステム |
研究実績の概要 |
本年度は、ローズヒップよりナノ粒子を回収し、in vitroの機能について評価した。ローズヒップ果実を破砕し、スクロースクッションを用いた超遠心により、130 nm付近のナノ粒子を調製することができた(RNPs)。RNPsのゼータ電位を測定したところ、負電荷であることが示された。また、クライオ電子顕微鏡観察によりRNPsの構造を確認したところ、膜構造を有する小胞であることが明らかとなった。抗酸化能を評価するため、RNPsと過酸化水素と混合した結果、濃度依存的に過酸化水素を消去した。RNPsはヒト表皮角化細胞(HaCaT)に効率的取りこまれ、細胞増殖を抑制することが明らかとなった。そこで、HaCaT細胞に炎症性サイトカインを添加することで乾癬モデル表皮細胞を作製し、RNPsを添加してインキュベート後の細胞胞数を評価した結果、細胞の乾癬様の過剰増殖が抑制された。さらに、乾癬モデル細胞の炎症性サイトカインを上昇を抑制した。したがって、ローズヒップから膜構造を有するナノ粒子の調製に成功し、in vitroでの乾癬モデル細胞において、過剰増殖および炎症の症状を改善できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はナノ粒子の回収方法の確立とin vitroでの評価を計画し、ナノ粒子の回収と病態モデル細胞を用いて機能の評価まで進み、計画通りおおむね順調に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はローズヒップ由来ナノ粒子のin vitroでの表皮角化細胞に対する作用についてのメカニズム解析を進めるとともに、in vivoでの乾癬モデルマウスを用いて機能評価を行う。
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