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2023 年度 実施状況報告書

戦後の国民的教養論の展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12722
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

本宮 裕示郎  滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (30823116)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード国民的教養 / 勝田守一 / 労働 / 科学 / 文学
研究実績の概要

本年度は、まず1940年代から60年代にかけて発表・出版された教養概念に関する論文や書籍の傾向や特徴を整理したうえで、1980・90年代に活発に展開された国民的教養・共通教養に関する議論を概観した。その後、勝田守一の教養概念の検討を行った。勝田は、1950・60年代の国民的教養論の代表的な論者の一人として位置づけられ、勝田の教養概念は、1980・90年代の議論でも参照先として求められてきた。勝田の教養概念に関する先行研究は、勝田が教養論を展開した根本の動機や問題意識、教養論の特徴など、多岐に渡る。しかし、先行研究や1980・90年代の議論で勝田の教養論が参照される際には、『能力と発達と学習』での教養概念ばかりが言及され、教養概念に対する勝田の問題意識を十分にくみ取ることはできていなかった。実際に、哲学研究から教育研究に転じてから、勝田は、社会科教育や道徳教育、平和教育など、幅広いテーマについて論じるなかで、教養論を一貫して展開しており、1940年代から60年代にかけて、教養論は徐々に形成されていた。そこで、1940年代から60年代にかけて、勝田の教養論の変遷を整理することを通じて、勝田が『能力と発達と学習』で提起した教養概念を再解釈し、その意義と課題について考察した。さらには、勝田と並んで、代表的な論者の一人とされる宮原誠一、勝田の問題意識を受け継いでいる堀尾輝久や志摩陽伍らの教養論を検討するための、史資料収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね研究計画通りに進んでいるため、「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

研究2年目となる今年度の前半に宮原誠一の教養論を整理し、後半に宮原の教養論に関する学会発表、論文投稿を行う予定である。その後、勝田守一と宮原誠一の教養論の比較を通じて、1950・60年代の国民的教養論の論点整理を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は研究の進捗状況に鑑みて、国内での学会発表等を断念した。次年度は学会発表等による成果発表を予定していることから、旅費等が必要となる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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