研究課題/領域番号 |
23K12876
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
熊木 悠人 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (50802815)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 幼児 / 分配行動 / 異年齢 / 公平感 |
研究実績の概要 |
本研究では、自分と異なる年齢の子どもに対して、幼児がどのように資源分配をするのか、またその分配方略にどのような発達的変化があるのかを調べることを目的としている。そのため、分配の受け手の年齢が参加児と同じである場合、年上の場合、年下の場合などを設定し、さらに、第三者視点から参加児以外の二人の子どもに対して行う資源分配(研究①)、当事者として参加児と他の子どもとの間で行う資源分配(研究②)について、個別面接調査によって検証する予定としていた。 2023年度の前半は研究材料の準備や研究法の妥当性の検討を進めた。ご協力いただく園との交渉や、調査対象となる園児とのラポール形成にも務め、9月以降、二つの保育園、幼稚園において研究①の調査を実施した。調査は園内の一室にて個別面接の形で行い、年少~年長クラスの園児に参加していただいた。調査では、1. 参加児と同年齢の子どもと参加児より年上の子どもとの間で分配を行う条件、2. 参加児と同年齢の子どもと参加児より年下の子どもとの間で分配を行う条件の二条件を参加者内要因として設定した。参加児はそれぞれの条件で3枚のシールを二人の間で分配し、その後、自由回答の形式で分配の理由についても尋ねられた。現在、調査はまだ途中であるものの、どちらの条件においても、分配方略および分配の理由に発達的変化がある可能性が示唆されている。調査は問題なく進んでおり、2024年度も継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたとおりに、2023年度の前半は研究材料の準備や調査にご協力いただく保育園、幼稚園との交渉を進めた。9月からは本格的に調査を開始し、現在までに二つの園で80名以上の園児を対象に面接調査を実施することができた。2024年度も面接調査を継続していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の前半は初年度から継続して研究①の調査を実施し、さらにデータを蓄積していく予定である。その上で、年度の後半には蓄積したデータを分析し、国内外での学会発表や学術誌への論文投稿の準備を進めていく。あわせて、研究②について、実験材料や手続きの妥当性の検討、ご協力いただく園との交渉などの準備を進め、調査の実施に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国内学会への参加を見送り、次年度以降の国内外の学会への参加、発表の予定へと変更した。また、当初、調査参加児一人ひとりに対して謝金を支払うことを計画に盛り込んでいたが、協力していただく園との話し合いの中で、参加者個人への謝金支払いは行わないこととなった。そのため、当初予定していた金額よりも謝金が少なくなった。
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