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2023 年度 実施状況報告書

マイクロ秒XAFSによる光触媒反応メカニズムの原子レベル追跡

研究課題

研究課題/領域番号 23K13597
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

城戸 大貴  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (60906931)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードマイクロ秒XAFS / タイムスタンプXAFS / 光触媒 / 反応メカニズム追跡 / 電荷輸送
研究実績の概要

本研究は、未だに解明されていない原子レベルでのマイクロ秒領域における、光触媒および助触媒の表面から反応物へ電荷が移動する過程を解明するための新しい手段、タイムスタンプXAFS法の開発を行い、マイクロ秒領域の時間分解XAFS測定法を確立することが目的である。そして、電荷輸送に伴う構造変化と化学反応を直接観察し、光触媒反応メカニズムの解明を目指す。初年度は、当初の計画通り、以下の項目を実施した。
・実験データ処理システムの構築:Pythonにてプログラムを作成した。タイムスタンプ測定によってDSPから生成されるバイナリデータをcsvファイルに変換できるようにした。変換したデータに対して任意の時間刻みを与えることで、時系列で分割してスペクトルを比較するプログラムも準備した。
・試料準備:試薬の購入を行った。酸化チタン光触媒に白金の担持をした。最初の段階として、試料をシリカと混ぜたペレットを作製した。
・実験システムの構築:パルスレーザーの納入と検出器系の準備を行った。レーザー光学系を準備し、X線の焦点とパルスレーザーの焦点がオーバラップするような実験系を準備した。X線検出系については、高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーで利用しているビームラインに備え付けの単素子SDDに、タイムスタンプ対応のDSPを用いることでタイムスタンプ測定を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度である本年度は、「実験データ処理システムの構築」・「実験システムの構築」・「試料準備」の3つを行う予定であった。実験システムに改良が必要であると考えられるが、当初予定していた内容は達成できており、高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーにおいて、11月と2月のマシンタイムで実験を開始できているため、おおむね順調である。

今後の研究の推進方策

今後の方策として、以下を進める予定である。
・スペクトルのS/N改善のために、多素子検出器に変更し、システムの最適化を行う。
・実験条件の最適化(試料濃度と励起光強度の最適化)を行い、光触媒反応に伴うXAFSの変化を得る・
・マイクロ秒領域のXAFS測定・解析を進め、光触媒反応メカニズムを解明する。

次年度使用額が生じた理由

高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーにおける2月のマシンタイムで実験を行ってから、装置の改良を行う予定であった。しかし、改良に必要な物品が年度を超える納品の予定であった。よって、翌年度の初めに購入することとしたため、翌年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] In situ pump-flow-probe XAFS study of photoexcited electron transfer over single atom-Pt/CoOOH photocatalysts2024

    • 著者名/発表者名
      Cheng Weiren、Kido Daiki、Niwa Yasuhiro、Bo Shuowen、Kimura Masao、Ota Ryo、Shibayama Tamaki、Asakura Kiyotaka
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 53 ページ: upae012

    • DOI

      10.1093/chemle/upae012

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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