研究実績の概要 |
覚醒後過同期に与える生理学的因子について,年齢や性別などの背景因子を過去に測定された健常成人20名の仮眠中の睡眠ポリグラフデータから予備的に調査した。覚醒後過同期の発生率に対する年齢や性差の影響は認められなかった。睡眠変数の睡眠段階3の割合や徐波活動が覚醒後過同期と相関し,覚醒後過同期に対する睡眠圧の影響が考えられた。この研究成果を国際誌Sleep Science and Practiceにおいて発表した(Yoko Suzuki, Zhiwei Fan, Takashi Abe. A preliminary study of factors influencing the occurrence of post-arousal hypersynchrony. Sleep Science Practice2024;8:3)。 覚醒後過同期の機能を調べるため,覚醒後過同期に対する第一夜効果(初めての場所で就寝するときに,睡眠の質が低下する現象)を調査した。睡眠ポリグラフを計測したことがない15名の健常成人に対して,1名につき計4回計測された睡眠ポリグラフデータにおける覚醒後過同期の発生率を調べた。その結果,覚醒後過同期は初回の計測で増加し,睡眠の不安定性を反映する生理指標である可能性が示唆された。この研究成果を国際学会SLEEP 2024へ抄録として投稿し,ポスター発表として採択された(Yoko Suzuki, Chihiro Suzuki, Takashi Abe. Examination of post-arousal hypersynchrony in the first-night effect. SLEEP 2024. 2024年6月3日発表予定)。この抄録はJournal Sleepの特別号に収録される予定である。
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