研究実績の概要 |
頭頸部癌のリンパ節転移は, 長径が10㎜に満たない場合, 現在常用されている画像診断法を駆使しても検出困難な場合が多い. 本研究課題研究代表者は, マイクロバブル造影剤による造影超音波画像診断法を用いた頭頸部癌リンパ節転移の診断法を確立するため, 日本頭頸部造影超音波研究会(JHNCURG)に参加し、全国規模での臨床試験を研究分担者として推進している. しかし, 臨床においては, 取得した造影超音波画像を病理組織学的に同期的に検証することは困難である. 本研究は, ヒトと同等の大きさのリンパ節を有するリンパ節転移モデルマウスを用いて, リンパ節転移病巣の形成過程をタイムゼロから造影超音波画像解析と同期的に他の画像解析法や病理組織解析法を用いて解析し, 頭頸部癌リンパ節転移の早期診断のための新規造影超音波画像診断基準を作成することを目的にする. 研究代表者は平成24年度より開始された厚生労働省「革新的医療機器等開発事業」の補助金での「高精度超音波画像診断装置の開発」研究班に所属し、東北大学大学院医学系研究科や医工学研究科との共同研究で新規の超音波画像解析ソフトを開発し、これを用いて頭頸部癌患者の転移リンパ節について研究を進めてきた。本年度は収集された臨床データをもとに、転移リンパ節における造影超音波診断の有用性について評価を行った。解析された臨床でのデータを、今後の動物実験でのリンパ節転移形成過程から薬物治療の有効性判定までを含めた研究に反映させる予定である。
|