研究課題/領域番号 |
23K16616
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
戸田 創 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40516580)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 骨形態 / 投球障害肩 / 肩甲骨 / 相同モデル / 画像解析 / MRI |
研究実績の概要 |
本研究の目的は以下の2点を明らかにすることである。1. 相同モデルを用いて野球選手の肩甲骨全体形状を解析し、投球障害肩の発症リスクを高める形態変異を明らかにすること。 2. 野球選手の利き手・非利き手の比較やオーバーヘッド競技未経験者との比較、競技開始年齢の影響を検討し、野球選手における肩甲骨の形態変異が生じるメカニズムを探ること。 1年目である2023年度は、目的1. 2.を検証するデータの収集・解析に必要な被験者調整を行い、過去に収集した野球選手のMRI画像の解析を実施した。MRI画像から作成した肩甲骨の三次元骨モデルを相同モデル化する作業は順調に進められており、研究データの蓄積を問題なく実施できることを確認できている。加えて、研究課題に関連する解析技術を用いた研究手法の情報収集として、国内学会への参加を行なった。2023年度中に新規データの収集に着手できていないが、次年度よりMRI撮影を開始できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目である2023年度は、目的1. 2.を検証するデータの収集・解析に必要な被験者調整を行い新規データの取得を開始する予定であった。しかし、医療機関のMRI画像診断装置を使用するため、感染対策の調整が付かず患者以外を対象にした撮影が実施できていない。しかし、過去に収集した野球選手のMRI画像の解析で一定の知見を得られる方向性は確認できているため、現在の進捗状況は「やや遅れている」と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
過去に収集した野球選手のMRI画像を使用し、本研究課題の目的を達成するための解析を進め、学会発表を実施する予定である。加えて、当初の予定にある、野球選手60名(投球障害肩の既往有り30名, 無し30名)と、オーバーヘッド競技未経験者30名のMRIデータ蓄積に向け新規の撮影を開始する。 加えて、画像解析作業の半自動化を達成するために、Mimics script moduleの購入を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初使用予定であった相同モデル支援ソフトHBM-Rugleは、本学既存のライセンスで研究を進められる状況となったため、使用額の減少につながった。その差額分を用いて、3次元医用画像解析ソフトであるMimicsでの解析作業を半自動化できる「script module」を2024年度に購入することを予定している。解析作業が半自動化できることで、研究データの信頼性が高まり作業時間の短縮にも貢献できると考えている。
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