研究課題/領域番号 |
23K16618
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
唯根 弘 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20845911)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | システマティックレビュー / 機械学習 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
当該年度(2023年度)ではリハビリテーション評価に関して最新の知見を迅速に得ることを目的として、機械学習を用いた迅速システマティックレビューを試みた。通常の実施手順でのシステマティックレビューとの効率性および精度を比較した。リハビリテーシ評価において、クライエント中心の医療を提供するために使用されることの多いカナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)に関して、介入前後の2点以上の変化は臨床的に有意な差であるとされてきた。それに対し本研究の迅速システマティックレビューにより、様々なクライエントや介入状況において臨床的に意義のある最小変化量(minimum clinically important difference: MCID)や最小可検変化量(Minimal Detectable Change: MDC)が異なることを明らかにした。機械学習を用いた迅速スクリーニングは通常スクリーニングと比較して最終的に抽出された論文は一致しており、効率的にシステマティックレビューが遂行可能であることを確認できた。迅速システマティックレビューにより様々な対象者や介入状況においてMCID、MDCの報告を迅速に参照することで、対象者への介入効果の検証と介入方針への一助になる可能性が示唆された。また、クライエント中心のチーム医療を実施するための生活行為向上マネジメントの効果を検証するため、スコーピングレビューを実施し論文発表されている報告内容をまとめた。並行して生活行為向上マネジメントの事例報告に着手しており、レビューの成果を参照することで事例の介入効果の検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度(2023年度)においては初年度となるため、通常システマティックレビューと比較して機械学習を用いた迅速システマティックレビューの効率性と精度を検討した。得られた結果は学会発表での成果報告が中心となり、学術誌への掲載による成果報告の準備を進めた。引き続き各種システマティックレビューを遂行し、得られた知見を事例への介入効果検証に活かし、その成果を報告する予定である。これらのことから、本研究課題の進捗状況についてはおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2024年度)は、既に検索したデータの詳細な分析結果について、引き続き学会発表および学術誌への掲載による成果報告を順次進めていく予定である。また、迅速システマティックレビューの新規検索を複数テーマにおいて実施し、分析・成果報告へと進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度(2023年度)においては当初計画と概ね同額の支出となった。2024年度には次年度使用額を含めて、成果発表のために必要な論文のオープンアクセス費用などに使用する予定である。
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