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2023 年度 実施状況報告書

数の概念獲得と意味処理はどこまで言語相対的なのか-類別詞言語からの検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K17272
研究機関早稲田大学

研究代表者

酒井 弘  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)

研究分担者 今井 むつみ  慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (60255601)
幕内 充  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究室長 (70334232)
菅原 彩加  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (80755710)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2027-03-31
キーワード神経言語学 / 心理言語学 / 高次脳機能計測 / 神経心理学・言語神経科学 / 思考・推論・言語
研究実績の概要

2023年度には、子どもによる数の概念発達研究を研究分担者菅原を中心に推進し、3歳から6歳までの子ども約100名に対して「一個」のように数量を表現する「基数」と「一番」のように順序を表現する「序数」の獲得に関する実験を実施した。実験データから、「基数」と「序数」では獲得年齢が異なること、獲得過程にも質的相違が見られることがわかった。このような結果は、数の概念獲得がより具体的な「量」の表現からより抽象的な「数」の表現へと進むこと示唆する点で興味深い。結果にさらに検討を加えて、国際学会”Boston University Conference on Child Language Development”における発表を目指して準備を進めている。
2023年度中にはさらに、研究協力者であるロンドン大学須藤と複数回の打ち合わせミーティングを実施し、研究計画全体の基盤となる数の言語表現の意味論的研究を進めた。打ち合わせを通して成人を対象とした数の表現を処理する際の脳機能計測実験について具体的な検討を進め、基数」と「序数」を素材とした実験パラダイムを開発した。ほぼ検討が完了した段階であるため、今後、刺激作成と実験プログラム作成の段階に移行し、2024年度中にパイロット実験を実施する見通しである。
また2023年度には、子どもによる数の概念獲得研究が先行して進展したため、この実験結果に対して発達心理学的観点から助言をもらうため、早稲田大学人間科学学術院の佐治伸郎准教授と複数回のミーティングを実施した。今後も、専門的知識の供与と実験結果の取りまとめに対するアドバイスが不可欠であると判断したため、2024年度4月から佐治准教授を研究分担者として加える形で研究組織変更申請を行い、承認を受けることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

子どもによる数の概念発達研究を研究分担者菅原を中心に推進し、3歳から6歳までの子ども約100名に対して「基数」と「序数」の獲得に関する実験を実施し、データの解析を進めている。すでに、「基数」と「序数」では獲得年齢が異なること、獲得過程にも質的相違が見られることを発見し、国際学会で発表することを計画している。その他、研究協力者であるロンドン大学須藤教授とのミーティングを複数回開催して、基盤となる数の言語表現の意味論的研究を進め、「基数」と「序数」を対象とした成人の脳機能計測実験の準備を進めた。これらの研究が順調に進んだため、研究計画全体は「おおむね順調に進行している」と判断する。

今後の研究の推進方策

2024年度には、すでに進行中である子どもを対象とした「基数」と「序数」の獲得研究を完成し、国際学会における発表と論文作成を進める予定である。「基数」と「序数」を対象とした成人の脳機能計測実験も、実験パラダイムの策定を終えて、実験刺激とプログラムの作成段階に入っているため、2024年度中にパイロット実験を実施し、本実験を開始する計画である。脳機能計測実験の方法としては、脳波計測実験を先行して実施し、パイロット実験の解析結果を検討した上で、同じパラダイムを使用したfMRI実験またはMEG実験の準備を進めることを計画している。

次年度使用額が生じた理由

2023年度は、言語獲得実験を実施することで実験参加者謝金、研究補助者雇用費用を使用し、海外から研究協力者を招聘するために旅費を使用したが、脳機能計測実験の実施が2024年度に計画されたため、この実験に使用する予定だった実験参加者謝金、研究補助者雇用費用、及びデータ解析のためのワークステーション購入の物品費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。2024年度には脳機能計測実験を実施するため実験参加者謝金、研究補助者雇用費用を使用するとともに、実験データ解析のためのワークステーション購入に物品費を使用する。さらに海外から専門的知識供与のための研究者招聘を行うために海外旅費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ロンドン大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      ロンドン大学
  • [学会発表] Investigating cardinal and ordinal number term acquisition in Japanese2024

    • 著者名/発表者名
      Ayaka Sugawara and Hiromu Sakai
    • 学会等名
      Core-to-Core Project International Workshop 2024
    • 国際学会
  • [備考] 脳・言語・推論・思考の 生物学的メカニズム

    • URL

      http://www.blit.sci.waseda.ac.jp

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公開日: 2024-12-25  

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