研究課題/領域番号 |
23K17381
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
新屋 良治 明治大学, 農学部, 専任准教授 (30802798)
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研究分担者 |
神崎 菜摘 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70435585)
菊地 泰生 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20353659)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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キーワード | 線虫 / パーティクルガン |
研究実績の概要 |
本課題研究では、高濃度ヒ素環境に適応し、胎生の繁殖様式を有する線虫を極限環境適応のモデル生物と位置づけ、線虫ヒ素耐性機構と胎生の繁殖様式の進化プロセスの解明に取り組む。2023年度はT. tufaeにおける形質転換体技術の確立、T. tufaeの生活環の解明、ゲノム解析に取り組んだ。線虫の形質転換体取得のためには一般的に、プラスミドベクターを生殖巣にマイクロインジェクションする方法と、プラスミドベクターを金粒子にコーテイングし、パーティクルガン法によって打ち込む方法が利用される。本研究では、パーティクルガン法を利用したT. tufae形質転換体の取得を試みた。パーティクルガン法によるT. tufaeの形質転換を試みた結果、現時点でF1からF4世代まで、安定して咽頭においてGFPを発現するラインを取得することに成功した。F1世代においては多くの個体が咽頭付近でGFPを発現した一方で、その多くがF2世代ではGFPの発現が見られなくなった。これらの個体においては射撃したプラスミドが染色体外で維持されており、その後脱落したと考えられる。F4世代において安定してGFPを発現したラインに関してはプラスミド配列がゲノム中に組み込まれた可能性が高い。次にT. tufaeの生活環を明らかにするために、出産直後の幼虫を観察した結果、出産食後の個体は耐久型幼虫もしくは、雌雄のL3幼虫であった。また、耐久型幼虫を大腸菌培地で培養した結果、すべての個体が雌雄同体成虫へと成長することが明らかになった。ゲノム解析に関してはアセンブルを取得し、現在gene annotationを実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初想定していたゲノム解析に加えて、形質転換体技術の開発に成功したことは今後の研究の発展を考えると大きな価値があると考えている。その他の計画に関しても概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノム解析終了まであとわずかの状況にあり、ゲノム解析の完了後、T. tufae子宮内液のプロテオーム解析に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降のプロテオーム解析に向けて予算を確保していたが、ゲノム解析にやや遅れが生じたことによりプロテオーム解析の予備検討を実施することができなかった。次年度は、このプロテオーム解析を実施するとともに、もしプロテオーム解析だけでは十分なデータが得られない場合はトランスクリプトーム解析も並行して実施する必要があるため、予算を確保した。
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