• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

細胞周期離脱遅延を用いた大脳皮質の人為的進化

研究課題

研究課題/領域番号 23K18169
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

岡戸 晴生  公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (60221842)

研究分担者 新保 裕子  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 研究員 (50724663)
平井 志伸  公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (00625189)
三輪 秀樹  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 室長 (80468488)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
キーワードRP58 / 細胞周期離脱 / 外側脳室下帯 / 脳の進化
研究実績の概要

我々は、転写抑制因子RP58(別名ZBTB18, ZNF238)のマウスにおける脳発達の研究を続けてきて、RP58が神経前駆細胞から、細胞周期離脱を促し、ニューロン分化の方向に進ませる、key分子であることを見出した。このRP58を欠落させたマウスでは、神経前駆細胞からの細胞周期離脱が抑制されることを見出した(Okado et al., Dev Biol, 2009)。興味深いことに、RP58欠損マウスでは、細胞分裂能を維持した神経前駆細胞が脳室帯より上層に増加していた。これは、高等哺乳類や霊長類で発達している、外側脳室下帯(OSVZ)と類似していた。このOSVZは、大脳皮質の2・3層の神経細胞を産生することが知られており、これが、霊長類型大脳皮質進化の源泉である。しかし、RP58欠損マウスでは、ニューロンの分化、移動、成熟が抑制されるために、霊長類型にはならない。そこで、神経前駆細胞からニューロンが分化する特定の時期のみRP58の発現を抑制することを試みる。そのために、神経前駆細胞の細胞周期離脱を抑制するために転写抑制因子RP58の発現を、神経前駆細胞で時期特異的に抑制する。
今回、RP58の転写制御領域にtetO配列を導入したマウスと神経前駆細胞で発現するMcl1-tTSマウスを交配し、ドキシサイクリンDoxでRP58の神経幹細胞における、RP58の発現をコントロールする系を立ち上げた。Dox投与をE16で試みたところでは、皮質にPax6 陽性細胞が増加する表現系が見られたが、皮質神経細胞の顕著な増加は見出されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予想通りの結果が出ないため、Mcl1-tTSに加えてactin-tTSの系でも交配を始めている。そのため、マウスの交配に時間がかかっており、解析が遅れている。

今後の研究の推進方策

マウスの交配数を増やして、解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

予想通りの結果が出ないため、解析が遅れている。そのため、解析のための費用を次年度の解析に使用する計画にしている。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi