研究課題/領域番号 |
23K18267
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
岩田 淳 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40401038)
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研究分担者 |
間野 達雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, 室長 (20704331)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 神経細胞核内封入体病 / 単一細胞RNA-seq / フローサイトメトリー / GGCリピート長 |
研究実績の概要 |
当初計画していた核酸標識抗体による核内封入体の染色法は、もともと細胞表面マーカーを対象としたものであったため、核内封入体への応用には条件検討を行った。蛍光タグを結合させた核酸プローブと抗体を用いた染色を試みたが、期待した結果は得られなかった。蛍光標識抗体を用いたフローサイトメトリー(FACS)によって脳組織全体、封入体陰性核、封入体陽性核の3分画を取得し、それぞれについて単一細胞RNA-seqを実施する方針に変更した。パイロットサンプルのシーケンス解析を行い、封入体陽性のクラスターを同定することに成功した。現在、より多数のサンプルを用いた解析を進めており、封入体陽性細胞に特異的な遺伝子発現変化の同定を目指している。封入体陽性核と陰性核におけるGGCリピート長の差異を評価するため、FACSによって分取した両者からDNAを抽出し、repeat-primed PCR法による解析を行った。その結果、封入体陽性核では陰性核と比較してGGCリピート長が有意に長いことが明らかになった。このことから、リピート長の不均一性が核内封入体形成に関与している可能性が示唆される。今後は、リピート不安定性のメカニズムとその病態への影響をより詳細に解析する予定である。以上のように、核内封入体陽性細胞の単離と解析については、当初の計画から一部変更を余儀なくされたが、代替手法により研究を進展させることができた。リピート長の解析についても、封入体陽性核と陰性核で差異があることを見出すなど、着実な進捗が得られた。今後は、これらの知見を統合し、NIIDの病態解明につなげていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シーケンス受託が繁忙期のため遅延した
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今後の研究の推進方策 |
以上のように、核内封入体陽性細胞の単離と解析については、当初の計画から一部変更を余儀なくされたが、代替手法により研究を進展させることができた。リピート長の解析についても、封入体陽性核と陰性核で差異があることを見出すなど、着実な進捗が得られた。今後は、これらの知見を統合し、NIIDの病態解明につなげていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
シーケンス受託が繁忙期のため遅延した
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