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2023 年度 実施状況報告書

発話と音声知覚におけるリズム生成機構の関与

研究課題

研究課題/領域番号 23K18475
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

橘 亮輔  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (50610929)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
キーワードリズム生成 / 発声制御 / タッピング / 音声知覚
研究実績の概要

本研究は、言葉と音楽の両者に共通した生物学的基盤を検討する上で、リズム制御能力に着目している。特に、その決定的な証拠を示しうるものとして、発話とリズムタッピングの間の干渉現象を網羅的に調査する。そのために、タッピング動作をする効果器(手・足)やその左右による違いと、リズムパターンによる影響の違いをそれぞれ計測する。また、音声の知覚においても同様にリズムタッピングとの干渉が生じるかも調べる。加えて、発話・タッピング・音声知覚に共通して関与する脳メカニズムを調べる。これらを通じて、発話と音声知覚におけるリズム生成機構の関与を明らかにするとともに、吃音や失読症などのリズム生成の問題に起因するとみられる障害の解明や治療法の検討につなげることを狙う。
2023年度は、音響機材・運動計測機材など実験環境のセットアップを行い、予備的な実験を繰り返して実験手続きを最適化した。また、指タッピングの上下運動の軌道にも影響がでると考え、指先の速度・加速度を計測する小型センサーを開発した。加えて、音声知覚にタッピングによる干渉がおきるかを検証する予備実験を進めた。音声のリズムパターンは保存しつつ周波数解像度を低下させた劣化音声を利用して、その聴取成績でタッピングの緩衝効果を検討している。現在のところ、限定的ではあるものの想定通りの結果が得られつつある。一方、後に吃音との関連を研究する基盤として、吃音のある話者の音声データの分析を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度から研究代表者の所属が変わり、実験環境を再構築する必要が生じたため、発話-タッピング干渉の網羅的計測については、年度内に本実験を開始するに至らなかった。ただし、当初想定よりもより詳細にタッピング動作を祖測定するためのセンサー開発を同時に進めることができた。音声知覚については協力者の助力を得て計画通り実験を進めることができた。加えて、別の協力者の助力を得て吃音のある話者の音声データを入手し、分析を進めることができた。

今後の研究の推進方策

発話-タッピング干渉については、2023年度までに実験環境が整ったため、今後は本実験を速やかに開始して継続的にデータを得ていく。音声知覚実験については、引き続き協力者との連携を進め十分な規模の実験をおこなって効果を検証する。吃音との関連についての検討も引き続きすすめ、リズム生成能力と吃音程度との関係を検証する。

次年度使用額が生じた理由

初年度から大規模な実験を行う予定であったが、代表者の所属が変わった直後であり環境整備や実験機材のセットアップ、実験開始に伴う安全・倫理審査申請に時間がかかり、実施できなかった。そのため、実験実施にかかる謝金・人件費等が使用できなかった。次年度に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Spectral consistency in sound sequence affects perceptual accuracy in discriminating subdivided rhythmic patterns2024

    • 著者名/発表者名
      Jun Nitta, Sotaro Kondoh, Kazuo Okanoya, Ryosuke O. Tachibana
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: accepted ページ: accepted

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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