研究課題/領域番号 |
23K20010
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐々木 智也 東京理科大学, 先進工学部機能デザイン工学科, 助教 (20979596)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 予測モデル / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、人間座標一致ロボットを用いたセンシング・アクチュエーション技術を確立することで、自由空間で人間と環境の情報を同時に取得し、任意のタイミングで物理的作用が可能となるようなサイバーフィジカルインタラクションを提供することである。 本年度は、人間座標一致ロボットの移動におけるセンシング技術の開発および、サイバーフィジカルシステムにおける視点操作技術の開発を行った。移動におけるセンシング技術の課題として、ロボットが人間の近接領域で動作するために、ロボットの動作軌道が人間の動きに適切に追従し、かつ高い応答性が要求されることが挙げられる。そこで、深層学習を用いて人間とロボットの双方に適した軌道を生成する手法を提案した。まず、人間の歩行動作に対して、ロボットの移動性能を考慮して最適化した動作軌道を事前に計算する。その動作軌道を学習データとして、人間の歩行動作から動作軌道を予測するニューラルネットワークモデルを構築した。構築したモデルは、0.2秒分の歩行データを用いて最大1.0秒先のロボットの動作軌道を予測する。シミュレーションを用いて、提案手法がロボットの移動性能を向上させること、センサの遅延を補償できることを確認した。サイバーフィジカルシステムにおける視点操作技術では、サイバー環境を介した遠隔ロボット使用時のカメラ視点操作について、作業対象となる物体とカメラ間の相対的な座標変化に着目した操作手法を提案し、原理検証を行うための予備実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に基づき、人間座標一致ロボットのセンシング基盤技術につい、研究開発とシミュレーションによる検証の成果が得られているため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、シミュレーションで検証した手法を実機に適用して評価する。また、アクチュエーション技術を開発し、これらを統合したインタフェースの評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画において、実験の結果を踏まえた実験装置の改良に関する物品購入の時期がずれたため、次年度使用額が生じた。当該研究経費は、計画通りに実験装置の改良のための物品購入資金に充当する予定である。
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