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2020 年度 実績報告書

海外日本語継承語(JHL)コーパスの開発と日本語・日本語教育研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20H01271
配分区分補助金
研究機関金沢大学

研究代表者

松田 真希子  金沢大学, 融合科学系, 教授 (10361932)

研究分担者 Daniel Long  東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (00247884)
林 良子  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20347785)
坂本 光代  上智大学, 外国語学部, 教授 (30439335)
櫻井 千穂  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40723250)
岡田 浩樹  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90299058)
中井 精一  富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (90303198)
福島 青史  早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (90823724)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード継承語 / translanguaging / 南米 / 日系 / CLD / コーパス
研究実績の概要

本研究課題は南米を中心とした海外の日本語継承語話者コーパス(Japanese as a Heritage Language/ JHLコーパス)を構築し、応用研究を行うものである。2020年度はJHLコーパス構築のため、主に二つの事業を推進した。一つ目は南米にルーツをもつ日系人3世・4世世代を中心に100名のライフストーリーを聞くイベントをオンラインで実施し、それを録画した。特に幼少期の空間の移動、言語教育の移動の体験を語ってもらった。同時に南米日本語教師や年少者に対してオンラインで勉強会や対話的活動を実施し、南米日本語継承語話者の言語観、学習観に関する調査研究を行うことができた。もう一つは国際交流基金サンパウロ日本文化センターとの共同プロジェクトとして南米の年少者の複言語能力を調査し、録音録画データを文字化し、コーパスとして公開した。124名(ウルグアイ4人、コロンビア9人、チリ6人、ブラジル47人、パラグアイ58人)に対して、1対1の対面で約30分のインタビューを実施し、データを収集した。インタビューツールには、CLD児の言語能力評価ツールである「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA(以下DLA)」(文部科学省 2014)の〈はじめの一歩〉と〈話す〉および、「Oral Proficiency Assessment for Bilingual Children(以下OBC)」(カナダ日本語教育振興会2000)のタスクを用いた。また、実施にあたり、単言語での課題遂行でなく自身が持っている言語資源全てを活用しながら(Translanguaging)課題遂行を行なった。文字化テキストだけでなくELANを用いてストラテジーについてもアノテーション情報を付与した。今後はこれらのコーパスを用いた分析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス流行のため、南米への現地調査を行うことができなかったが、オンライン環境でできる調査を推進することができた。特にCLD-Onlineというコミュニティを構築し、定期的に南米につながる複言語話者と毎週交流を行うことができたことで様々な調査やデータ収集を行うことができた。

今後の研究の推進方策

現地調査を行うと同時に、CLD児の南米におけるコーパス構築を進める。既に収集したライフストーリー100名分の動画公開のためポルトガル語とスペイン語の字幕付与作業を進める。これまでに得たデータの分析を進め、成果を公開する。2022年8月にこれまでの研究成果をまとめた書籍を刊行する。2023年8月はシドニーで国際シンポジウムを共催し、海外日系人の複言語状況と継承語教育の研究について成果発表を行う。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] サンパウロ大学/ブラジリア大学/国際交流基金サンパウロ日本文化センター(ブラジル)

    • 国名
      ブラジル
    • 外国機関名
      サンパウロ大学/ブラジリア大学/国際交流基金サンパウロ日本文化センター
    • 他の機関数
      1
  • [国際共同研究] シドニー工科大学/UNSW(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      シドニー工科大学/UNSW
  • [国際共同研究] プリンストン大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      プリンストン大学
  • [国際共同研究] チュービンゲン大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      チュービンゲン大学
  • [雑誌論文] Language Education For Cld-Children Grown Up In Japan: Based On The Study Of Nikkei In South America2022

    • 著者名/発表者名
      Makiko Matsuda
    • 雑誌名

      Estudos Japoneses

      巻: 45 ページ: 13-28

  • [雑誌論文] 「生きたことば」の主体的使い手としてのプロフィシェンシ―2021

    • 著者名/発表者名
      松田真希子
    • 雑誌名

      日本語プロフィシェンシ―研究

      巻: 9 ページ: 14-34

  • [学会発表] 南米日系移民と継承語・定住語教育:音声コミュニケーションの観点から2022

    • 著者名/発表者名
      松田真希子
    • 学会等名
      外国語発音習得研究会
  • [学会発表] 国語から旅立って、日本語に住みついて 言語的文化的多様性に拓かれるために2022

    • 著者名/発表者名
      温又柔、松田真希子
    • 学会等名
      日本語プロフィシェンシー学会例会
    • 招待講演
  • [学会発表] ブリコラージュな言語教育実践としての漫才ワークショップ―TranslanguagingによるL2学習の新たな可能性―2021

    • 著者名/発表者名
      松田真希子
    • 学会等名
      日本語プロフィシェンシー研究学会10周年記念シンポジウム
  • [学会発表] Did the wall melt?:creating metroliguistic space in an academic conference2021

    • 著者名/発表者名
      Matsuda Makiko, Otsuji Emi
    • 学会等名
      16th EAJS International Conference 2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 多言語漫才の世界2021

    • 著者名/発表者名
      フランポネ、松田真希子
    • 学会等名
      日本語音声コミュニケーション学会春季研究集会
  • [学会発表] オンラインでの対話的活動の可能性―南米における実践報告―2021

    • 著者名/発表者名
      松田真希子 , 横溝みえ , 渡辺久洋 , 細川英雄
    • 学会等名
      言語文化教育研究学会 第 7 回年次大会
  • [学会発表] トランジショナルな時代のことばの教育の可能性:ことばとアイデンティティのエンタングルメント2021

    • 著者名/発表者名
      尾辻恵美、松田真希子
    • 学会等名
      AATJ2021
    • 国際学会
  • [図書] オンライン国際交流と協働学習2022

    • 著者名/発表者名
      村田晶子
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      4874248926
  • [図書] ともに生きるために2021

    • 著者名/発表者名
      尾辻恵美、熊谷由理、佐藤慎司
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      春風社
    • ISBN
      4861107741
  • [備考] CLD-online

    • URL

      https://www.cld-online.com/

  • [備考] JHL コーパス

    • URL

      https://www.youtube.com/channel/UChF973ugY-LTIBb6OQMnDuw/about

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公開日: 2022-12-28  

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