研究課題/領域番号 |
20H01738
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加藤 徹也 千葉大学, 教育学部, 教授 (00224519)
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研究分担者 |
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)
飯塚 正明 千葉大学, 教育学部, 教授 (40396669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 物理実験教育 / 日本式教育の海外展開 / 静電気チェッカー / 放射線代替実験装置 |
研究実績の概要 |
開発途上国への海外展開を念頭に、教員による自作や修理を可能とするような簡素な素子・素材を組み合わせて、2種類の物理実験装置を開発し、国内外での論文発表を行った。 ひとつは静電気により帯電した電荷をふたつの回路で判定し、赤色LEDが光れば正電荷、黄色LEDが光れば負電荷を帯びていることを表示する装置である。一体になったふたつのアンテナで、摩擦帯電した物体と、摩擦相手となった物体とが、逆の符号で帯電していることを容易に確認できる。これまでは中学校2年での電気現象の導入時にできるような簡単な直観的実験はほぼなく、他の実験結果と論理的思考とで補われていた。この装置は誰もが中学校で身に付けるべき内容にふさわしい実験結果を与えるる。 もうひとつは放射線源の代替として紫外線LEDを用いて放射線教育のための実験を行う装置である。紫外域のパワーLEDは近年はじめて入手可能となった。その波長域近傍に狭い感度をもつフォトダイオード(PD)を用いた教材を作成した。この光源は十分輝度が高く、アクリル板を挿入したときの透過強度の減衰や、PDを遠ざけたときの到達強度の減衰について、定量的な法則性を確認できる。さらに、感度域が狭いために明るい部屋で可視光の影響を受けずに実験が可能であり、また、安全上実験室では義務付けるべき保護眼鏡で十分吸収されるという特徴がある。これらの特徴は義務教育として放射線教育を経験的に扱うのに適合している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外渡航がコロナ禍により止まってしまっている。実験装置の開発や論文発表等を進めることはできたが、海外への現地調査のために渡航すること、および海外から学校教員や学生教員あるいはそれを支援する大学教員を招聘すること、という研究の中心的課題が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
海外渡航が可能になりつつあるので好機を逃さず派遣・招聘を行う。季節による状況の変化も予測されることから計画は立て難いが、海外への現地調査に協力してもらえる他の研究者を必要に応じて分担者等として追加し、渡航可能な時期に多数の実践ができる体制をとるようにする。
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