研究課題/領域番号 |
20H04005
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
加藤 令子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70404902)
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研究分担者 |
小室 佳文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20233067)
沼口 知恵子 常磐大学, 看護学部, 教授 (50381421)
原 朱美 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70613800)
大橋 敦 関西医科大学, 看護学部, 教授 (40340674)
佐藤 奈保 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (10291577)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自然災害 / 障がいのあるこども / ツール開発 / ICT教育 / セルフケア |
研究実績の概要 |
令和5年度は、研究者が開発した「障がいのあるこどもの災害備えパッケージⅡ」の知的障がいのあるこども自身が地震に備えるセルフケア獲得・定着への効果を検証するため、本介入研究を実施した。介入研究に協力した児童・生徒は関東圏の知的障がいを対象とする特別支援学校6校の23名であった。協力対象の児童・生徒の選定基準は、①IQ50程度、または、生活年齢小学校1・2年生程度のもので学年は問わない、②性別は問わない、③iPadの操作が可能である者、④本研究協力にあたり書面による説明を受けた後、十分な理解の上、本人の自由意思の承諾と保護者の両者の文章承諾・同意が得られた者、とした。 介入期間は令和5年5月~令和6年3月である。介入方法は、開発したツールを用い「予告なしミニ避難訓練(約40分)⇒ICT教材教育(約20分)⇒提示した学習内容教育(約20分)⇒予告なしミニ避難訓練(約40分)」とし、1クール3か月を2クール実施した。1クール終了後、2クール目開始までこどものセルフケア定着を確認するため約3か月の空白期間を設けた。 こどものセルフケアの獲得・定着状況を確認する検証は、リッカート評価表およびルーブリック評価表を用い、介入前・後の児童・生徒のセルフケア状況を確認した。また、全ての介入修了後、直接介入した教諭を対象に児童・生徒の行動の何をもってセルフケア獲得・定着と判断したのか、ICT教材とツールの有用性と汎用性および改善点について半構成的インタビュー調査を実施した。両評価内容については、令和6年度に分析予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は国内と米国を対象としての介入研究を行う予定であった。しかし、介入研究準備期間中に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生したため、令和5年度の本介入研究は国内だけの実施となった。 国内での介入実施は、予定していた協力校8校が6校、介入予定児童・生徒数30名が23名、予定したインタビュー協力教諭16名が10名であったが、予定した介入研究とその後のインタビュー調査は終了した。 以上により、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度で本研究は終了予定である。そのため、令和6年度は、令和5年度に実施した知的障がいを対象とした特別支援学校6校の23名の児童・生徒への2クールの介入結果から、こどもの地震に備えるセルフケア獲得・定着について分析を行う。分析は、介入効果検証のために作成したリッカート評価表およびルーブリック評価表に、教諭が介入前・後の児童・生徒のセルフケアを評価した内容を用いて行う。また、全ての介入後に直接介入した教諭10名を対象に実施した半構成的インタビュー内容より、こどもの行動の何をもってセルフケア獲得・定着と判断したのか、ICT教材とツールの有用性と改善点および汎用について分析後、ツールの修正を行う。 修正版のツールとICT教材を障がい等のある多くの方に活用いただくため、令和6年9月に全国の教育委員会と特別支援学校等に講習会の案内状を送付し、11月~12月上旬に講習会(オンライン予定)を開催する。講習会参加者の中で、開発したツールとICT教材の活用を希望した学校等へ無料でダウンロードを可能とし、活用を促進する。作成した報告書をPDF化し、協力校および協力者に送付する。研究成果は学会発表および論文投稿を行う。
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