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2022 年度 実績報告書

活用発信型言語データに基づく日本の大学・教員・学生が対応可能なEMIの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21H00549
配分区分補助金
研究機関立教大学

研究代表者

鳥飼 慎一郎  立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (90180207)

研究分担者 山本 英一  関西大学, 国際部, 教授 (40158267)
秋元 奈穂子  立教大学, 法学部, 准教授 (40517877)
中田 裕子  東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 特任助教 (40802369)
溜箭 将之  東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (70323623)
高橋 脩一  専修大学, 法学部, 准教授 (80749614)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード司法英語辞書 / コーパス言語学 / 英米法 / EMI / アメリカ裁判所判例 / イギリス最高裁判所判例 / 活用発信型辞書 / ESP
研究実績の概要

辞書編集の基盤的基礎データである米英の判例1200万語、米英のロージャーナル1200万語、アメリカの契約書500万語から成る司法英語コーパスを完成させてある。
辞書に掲載すべき第1次動詞群(11群、22語)、第1次名詞群(12群、42語)、第1次連語群(6群)、第2次動詞群(21群、40語)、第2次名詞群(15群、23語)、第2次形容詞群(9群、14語)、第2次連語群(8群)、追加語群(25群、36表現)を設定し終わった。合計で、69群、191語・表現である。
これら191語・表現のほとんどすべてにおいて、司法英語コーパスから検索した代表的なコロケーション情報に基づき、具体的な高頻度共起語を検出し、代表的な例文を抽出し、訳を施してある。
2023年3月6日から10日までの5日間連続で、Studer教授とKelly講師を立教大学に直接招聘し、オンラインと対面併用型の公開講演会と公開ワークショップを開催した。3月6日 公開講演会「EUにおけるEMIの理論とその歴史的背景及び最近の変化」3月6日 公開ワークショップ「EMIの視点、経験、問題点を参加者と語る」3月7日 公開講演会「EMIプログラムをカリキュラムの国際化の一環として計画するには」3月7日 公開ワークショップ「EMIを使って大学のカリキュラムを国際化するための具体的な方法」3月8日 公開講演会「英語で教えるための準備」3月8日 公開ワークショップ「初めてEMIで授業をする教員へのアドバイス」3月9日 公開講演会「EMIの授業で教員が遭遇するであろう問題とその解決方法」3月9日 公開ワークショップ「EMIクラスでの問題の効果的な対処方法」3月10日 公開講演会(13:00~14:30)「専門教員と言語教員によるティームティーチング」3月10日 公開ワークショップ「専門教員と外国語教員がコラボする方法」

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の目的である『日本人のための活用発信型司法英語辞書』に掲載すべき辞書項目がすべて出そろい、その第1次原稿が概ね執筆を完了したことが大きい。
それに加えて、EMIの先進地域であるヨーロッパから、その専門家である研究者2名をスイスのチューリッヒ応用科学大学から招聘して、連続5日間にわたり、5回の公開講演会、5回の公開ワークショップを開催できたことが大きな理由である。
さらに、アジアの漢字圏である台湾の国立台湾大学、東呉大学、国立陽明交通大学に、本プロジェクトの代表者と分担者合計3名が視察に赴き、EMIの授業の参観、各大学のEMI担当者との意見交換、台湾における今後のEMIの進展計画等につき、詳細な説明を受けたことがあげられる。この台湾訪問をきっかけに、国立台湾大学のCenter for Bilingual Education、法学部とは今後緊密な連携を図り、研究者の相互訪問やお互いにEMIに関する研究成果の発表を促進することとなった。これらは本研究を開始した当初予想していた以上の研究成果であり、今後の計画を予定以上に進展させる予感を感じさせるものである。

今後の研究の推進方策

司法英語辞書として公刊するには、これまで以上に共通した統一フォーマットに辞書項目の記述を落とし込む作業が必要である。それに加えて、191語・表現において高頻度で共起する語を、現在はアメリカ司法英語とイギリス司法英語それぞれ別々に記載してあるが、それを今後は一本化して、米英の間で大きく異なる用法については注釈をつけて学習者の注意を喚起する作業がある。各辞書項目で、一本化された高頻度共起語リストも、カテゴリー別に編集しなおし、より見やすく使いやすいものにする予定である。すでに司法英語コーパスから抜き出してある例文についても、より辞書の例文にふさわしい形に書き換え、その例文に最終的な日本語訳をつけ、その英語の例文と日本語の訳を基に、英語と日本語の索引を言語別に編集する予定である。
各辞書項目ごとに一本化された高頻度共起語については、原則としてすべての語に訳語をつける予定であったが、あまりにも頻繁に繰り返し使用される共起語についてはその訳を省略し、代わりに高頻出司法英語語彙としてまとめてグロサリーを作成し、そこで一括して訳語と必要ならば最小限度の注釈を付加し、処理する予定である。
2023年2月に台湾の国立台湾大学、東呉大学、国立陽明交通大学を訪問して、EMIの授業を参観し、関係者と意見交換を行った。国立台湾大学のバイリンガル教育センターの関係者を立教大学に招聘し、東アジアにおけるEMIの重要性と実践事例に関する講演会を開催する予定である。
本プロジェクトの研究成果や公開講演会、公開ワークショップの成果を公刊する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] チューリッヒ応用科学大学(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      チューリッヒ応用科学大学
  • [雑誌論文] 司法英語における同格表現の使われ方2023

    • 著者名/発表者名
      鳥飼慎一郎
    • 雑誌名

      異文化コミュニケーション論集

      巻: 21 ページ: 5-31

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] イングランドでの民事訴訟における裁判文書へのアクセス:近年の最高裁判決を起点として2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋脩一
    • 雑誌名

      専修法学論集

      巻: 147号 ページ: 209-254頁

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 州裁判所における主権免責 Franchise Tax Board of California v. Hyatt, 139 S.Ct. 1485 (2019)2022

    • 著者名/発表者名
      秋元奈穂子
    • 雑誌名

      法律のひろば

      巻: 75巻4号 ページ: 66-72頁

    • 査読あり
  • [学会発表] Are Views on the Role of Litigation in Japan Changing?2022

    • 著者名/発表者名
      Shuichi Takahashi
    • 学会等名
      2nd Asia-Pacific Private Law Conference
    • 国際学会
  • [図書] 謎解きとコミュニケーション―語用論から西欧の知を考える―2023

    • 著者名/発表者名
      山本英一
    • 総ページ数
      164
    • 出版者
      関西大学出版部
    • ISBN
      978-4873547640
  • [図書] 『まだ、法学を知らない君へ』201-216頁所収 「契約とContract――比較法からパンデミック・オリンピックまで」2022

    • 著者名/発表者名
      溜箭将之
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      978-4-641-12636-7

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公開日: 2023-12-25  

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