研究課題/領域番号 |
21H00725
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
梶谷 真也 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (60510807)
|
研究分担者 |
McKenzie Colin 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (10220980)
井深 陽子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20612279)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 時間配分 / 労働供給 / 健康 / 余暇 / 育児 |
研究実績の概要 |
時間配分の変化が健康に与える影響について以下の分析に取り組んだ. 2021年度は,梶谷とマッケンジー,研究協力者の坂田が,オーストラリアのHousehold, Income and Labour Dynamics in Australia (HILDA) Surveyのマイクロデータを用いて,中高年男性の労働時間が健康状態に与える影響の分析を進めた.具体的には,因果関係の識別戦略について議論を重ねながら論文の改訂を行った. さらに,梶谷とマッケンジー,井深は,日本の社会生活基本調査を用いて,労働時間量(時間帯)や睡眠時間量(時間帯)が健康状態に与える因果効果を捉える分析を始めた.具体的には,社会生活基本調査について統計法第33条第1項第2号による調査票情報の利用申請を完了した.そして,提供された調査票情報のデータクリーニングを行い計量分析ができる状態にした.その後,データの基本統計量などを確認してデータの傾向を掴んだ. また,梶谷らは,法律改正という外生的な変化が時間配分の変化に与える影響にも注目した.具体的には,高年齢者雇用安定法の改正(労働需要サイド)と公的年金の支給開始年齢引き上げ(労働供給サイド)という政策介入が高齢男性の雇用に与える影響を分析した.出生タイミングが近いふたつのコーホートのうち,政策介入の対象となるコーホートを処置群,政策介入の対象外となるコーホートを対照群とした差の差推定で得られた結果を論文としてまとめた.
2022年度は,梶谷とマッケンジー,研究協力者の坂田が,HILDA Surveyのマイクロデータを用いた中高年男性の労働時間が健康状態に与える影響の分析を継続し,論文を国際学術雑誌SSM - Population Healthに投稿した.査読者からのコメントに基づいて論文の改訂を進めて,論文をSSM - Population Healthに掲載した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で研究時間の調整等が難しかったこともあり,本課題の進捗はやや遅れている.
|
今後の研究の推進方策 |
梶谷とマッケンジー,研究協力者の坂田は,日本のマイクロデータを用いて,世帯内生産活動と健康の関係や,就業と健康投資の関係についても分析を試みる予定である. また,梶谷とマッケンジー,井深は,引き続き日本の社会生活基本調査やアメリカのAmerican Time Use Surveyを用いて,労働時間量(時間帯)や睡眠時間量(時間帯)が健康状態に与える因果効果を捉える分析を進める予定である.
|