研究課題/領域番号 |
21H00809
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
和田 浩二 琉球大学, 農学部, 教授 (50201257)
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研究分担者 |
荒川 雅志 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (70423738)
中山 素一 九州産業大学, 生命科学部, 教授 (90626095)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 香り / ヒハツモドキ / 香辛料 / GC-MS / ストレス / 抗菌性 / ウェルネス |
研究実績の概要 |
本研究は研究期間を4年とし、香り特性の評価とフードミクス解析(研究課題1)、抗ストレス作用と作用成分の解析(研究課題2)、飲料における抗菌作用の解析と検証(研究課題3)、ウェルネス資源活用に向けたモデル開発(研究課題4)の4つの課題から構成され、研究課題1の成果を研究課題2と研究課題3に、それら3つの研究課題の成果を研究課題4に連携させて研究を実施する。本年度は研究課題1~研究課題3において以下の成果が得られた。 ヒハツモドキ果実および乾燥や焙煎した加工品の香気特性の解析(研究課題1)としては、GC-におい嗅ぎ分析により、ヒハツモドキ果実およびその加工品から8つの特徴的なにおいを確認することができ、固相マイクロ抽出および高真空香気蒸留により得られた香気抽出物のGC/MS分析の結果から、それら8成分を同定・定量し、香気特性の違いを解析することができた。 ストレス負荷マウスを用いた評価系の確立において、ストレスの負荷はマウスを金網に密着状態で包み込む拘束ストレス法を用い、動物搬送用の密閉ボックス内に香気抽出物や香気成分を用いた香気雰囲気の有無を設計することで、抗ストレス作用の解析や評価を行えることを確認した。 ヒハツモドキ果実由来の香気抽出物および香気成分の抗菌作用の検証のために構築したAlicyclobacillus acidoterrestrisの評価系の妥当性を、抗菌性が期待できる香料成分の評価に用いて検討した。その結果、抗菌力を有することが既知の成分を含め76成分中15成分に10ppmという低濃度でAlicyclobacillus acidoterrestrisに対して効果を有することを見い出し、評価系の妥当性を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究課題1においてヒハツモドキ果実および乾燥や焙煎した加工品の香気特性について解析するとともに、研究課題2および研究課題3において抗ストレス作用の検証のためのストレス負荷マウスを用いた評価系と果実およびその加工品の香気抽出物や香気成分の抗菌作用の検証のための評価系をそれぞれ検討し確立できた。 以上のことから、研究はおおむね順調に進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
3年目である本年度は研究課題1で得られたデータと前年度に確立したストレス負荷マウスの評価系を踏まえて研究課題2、また前年度に確立した抗菌作用の評価系を用いて研究課題3、そしてウェルネス資源としての活用のためのエビデンスの予備調査を踏まえて研究課題4を実施する。具体的には、研究課題2では、ストレス負荷マウスにヒハツモドキ香気抽出物の暴露によるストレスーマーカーと抗酸化活性の変化から抗ストレス作用や香気成分との関連の解析を行う。研究課題3では、抗菌作用の検証法として確立したAlicyclobacillus acidoterrestisを用いた評価系を用いて、ヒハツモドキからの香気濃縮物や加工に伴う香気代謝物の抗菌作用の解析と検証を実施する。研究課題4では、研究課題1から3で得られたエビデンスをヒハツモドキの機能的価値として付与したウェルネスメニューを地域の観光関連事業者の協力のもとに開発、モニター評価を実施し、ウェルネス資源活用に向けたモデル開発とする。
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