研究課題/領域番号 |
21H00911
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
高木 哲 麻布大学, 獣医学部, 教授 (50396305)
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研究分担者 |
佐藤 礼一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (00582826)
塚本 篤士 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (00647175)
川本 恵子 麻布大学, 獣医学部, 教授 (20360977)
藤田 良治 愛知淑徳大学, 創造表現学部, 准教授 (40515102)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 映像教材 / 臨床手技 / 犬 / 実験動物 / 牛 / 馬 |
研究実績の概要 |
獣医療あるいは動物の扱いではできるだけ不安や苦痛を与えないように施術者は十分に熟練したうえで速やかに処置を行えることが求められる。動物と人とは意思疎通ができないため、手技の熟練は非常に重要であるが、十分な習練の機会を確保することは困難で、臨床現場での長い訓練とトライ&エラーの繰り返しで習得するのがこれまでの慣習である。しかし、近年の動物愛護の社会的な状況を考慮すると、獣医学部生、獣医師あるいは実験動物に携わる人材の教育において倫理的側面に配慮しつつ速やかな手技の習熟機会を増加させることは社会的な使命である。そこで本研究の目的を、これまでに例のない様々な動物種の取り扱いに関する動画教材を制作することと、これらの教材による実質的な手技の習得への貢献度の評価法を確立すること、とした。 本年度はオンラインソフトとして犬猫の麻酔シミュレーターを制作した。このシミュレータは基本的にPC画面対応であり(iPadは対応検討中)、複数のモニタと動物・輸液・麻酔器の同時監視の体験ができる。これはこれまでに類を見ないシミュレータであるが、初学者にとってストレスなく学習できるように操作の難易度を極力高めて制作した内容となっている。 また、かねてより課題であった牛とマウスの映像教材の音声についてアテレコを行い、映像の質も向上させることができた。さらに映像教材の教育効果についてVRと合わせて学会での講演と発表も行うことができた。現在犬の映像教材の成果については論文投稿中である。今後はさらに複数の教材について制作するとともにアニメーションの挿入などを検討している。また、本補助金では金額的に全く厳しいが、今後の展開として内視鏡検査のVR教材の制作も検討したいので360度内視鏡動画の制作についても検討する。伴侶動物以外の教材についても学会発表や論文発表を展開したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題であった麻酔シミュレータについて学習の目標が明確で扱いやすいものが制作できた。今後はこれを用いて学生がいかに効率的に麻酔管理を学んでいるかを評価することでこの教材の効果判定ができることが期待される。その評価の方法については検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
制作した麻酔シミュレータを用いて学生の習熟効果の判定を行う、あるいは判定方法の検討を行う。実験動物と伴侶動物の研究成果について取りまとめ、学会発表もしくは論文投稿する。内視鏡捜査の映像教材制作および360度教材の制作を行い、今後の展開に備える。
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