研究課題/領域番号 |
21H00934
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
三船 恒裕 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (00708050)
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研究分担者 |
上條 良夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40453972)
多湖 淳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80457035)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 先制攻撃ゲーム / 集団間囚人のジレンマ・差の最大化ゲーム / 外集団攻撃 |
研究実績の概要 |
本研究の大きな目的は外集団への攻撃行動が生じる心理メカニズムを検討することにある。外集団攻撃を予測する理論的基盤のひとつに偏狭的利他性仮説がある。偏狭的利他性仮説に基けば、ヒトは進化の過程で内集団への利他性と共に外集団への攻撃性を有したと主張される。つまり、偏狭的利他性仮説に基づくと人々は外集団への攻撃性を有すると考えられ、その仮説を検証するために多く用いられてきたパラダイムが集団間囚人のジレンマ・差の最大化ゲームである(IPD-MD)。これまでのIPD-MDを用いた研究では外集団への攻撃が「無駄」な行動であることが強調され、適切に偏狭的利他性仮説を検証できていなかった可能性がある。そこで外集団攻撃が集団内の利益となることをフレームとして操作した実験を実施した。その結果、フレームを与えても与えなくても、外集団への攻撃はほとんど生じず、偏狭的利他性仮説は支持されなかった。この結果はScientific Reports誌に掲載された。 集団間の攻撃行動を理解するためには、集団間の協力が生じるメカニズムを検討することも重要である。集団内協力を説明する、一見すると矛盾する二つの理論を統合し、実験参加者が二つの実験ゲームを行う場合、最初のゲームでの行動情報が次のゲームにも伝わる場合は内集団ひいきが生じず、集団間協力が生じると予測した。この予測を2つのウェブ実験にて検証した。実験1を行った後でregistered reportとしてEvolution and Human Behavior誌に投稿し、stage 1の論文としてアクセプトされている。その後、実験2のデータも取得した。 外集団への先制攻撃行動を測定するための実験準備としてプログラムを作成し、高知工科大学および早稲田大学にて準備作業を行ない、実験実施が可能な状態となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響が残り、実験室実験が難しい状況が続いたため、まずはすでに取得していたデータを論文化し、査読付き英文雑誌に公刊した。また、ウェブ実験へと移行してデータを取得した。当初から実験室実験が難しい場合には適宜ウェブ実験に移行してデータを取得する予定であり、総合的に見れば順調に進んでいると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
実験室実験が遂行可能な状況になることが見込まれてきた。効率的にデータを取得するため、高知工科大学や早稲田大学の被験者募集状況を見てどちらかで、あるいは両方で実験を実施する。また、実験室実験と並行して、場面想定法を用いたウェブ実験も行い、外集団攻撃が生じるメカニズムについて探索的なデータを取得していく。
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