研究課題/領域番号 |
21H02133
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
平 修 福島大学, 食農学類, 教授 (30416672)
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研究分担者 |
三浦 至 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (30612709)
前島 裕子 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (40438669)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | うつ / イメージング / テアニン |
研究実績の概要 |
テアニンがうつ病時の脳内神経伝達物質・各受容体の働きを改善することの証明には大きく2つの問いがある。(1)テアニンが及ぼす抗うつ効果(脳への働きかけ)の機序はどのようなものか?。(2)うつ病の原因とされる3つの仮説は、脳全体を俯瞰的・網羅的に調べた時にそれぞれ独立して状態で発症に繋がるのか、それとも関連性はあるのか?。これらの問いの解答にイメージングMS技術と分子生物学手法を合わせて挑んでいる。 テアニン摂取うつマウスは、うつ度合いが低く、食欲も減退しない。脳内イメージング質量分析の結果ではうつマウスと、うつマウス+テアニンを比較すると、うつマウス+テアニンでは、L-DOPA(ドーパミン(DA)の前駆体)、DA、ノルアドレナリン(NE)およびアミノ酸であるGABAがうつマウスよりも多いことが分かっている。GABAに関しては視床下部室傍核において、うつマウスではGABAが減少しており、うつ+テアニンではGABAが大幅に増加していた。視床下部室傍核では、食欲制御をしている部位であり、通常、室傍核が活性化することで食欲が減退する。テアニンを摂取することで、室傍核部位でのGABA濃度が上がることは室傍核活性を抑制することになり、食欲減退を抑制することで食欲が向上させると考察でき、これはマウス観察結果と一致する。 うつ病では、海馬領域のBDNF(農由来栄養因子)減少による神経細胞の新生が抑制されると言われている。今回、うつマウス+テアニンではBDNF新生が抑制されていないことが示された。 体毛イメージングに関しては、前年度までに発見した新バイオマーカー群が再現よく検出されることも示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書通り、BDNFの測定を行い、差を見いだせている。
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今後の研究の推進方策 |
脳内イメージング質量分析では、トリプトファン、チロシン、グルタミン酸などアミノ酸の動態も追う事でいつ、うつになるタイミング(セレトニン、L-DOPA、GABAの前駆体)がつかめると考え、アミノ酸イメージング質量分析にも着手する。
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