研究課題/領域番号 |
21H02993
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
田口 智章 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 学長 (20197247)
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研究分担者 |
吉丸 耕一朗 九州大学, 医学研究院, 講師 (60711190)
松浦 俊治 九州大学, 大学病院, 准教授 (10532856)
桐野 浩輔 九州大学, 大学病院, 助教 (00621707)
河野 淳 九州大学, 大学病院, 医員 (90758418)
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80304814)
山座 治義 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (30336151)
孝橋 賢一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10529879)
樗木 晶子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (60216497)
中園 栄里 福岡医療短期大学, 保健福祉学科, 講師 (10343732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / 腸管神経節細胞僅少症 / 慢性特発性偽性腸閉塞症 / 間葉系細胞 / 再生医療 / 腸管不全 |
研究実績の概要 |
まず本年度は、HYPO患児由来のSHEDの幹細胞生物学的解析を行った。コロニー形成能力に関しては、healthy SHEDと相違ない結果であり、フローサイトメトリーにて表面抗原を確認し、間葉系幹細胞の特性を有していることを確認し、BrdU取り込み能も相違なかった。また、分化能に関しては、脂肪細胞・骨芽細胞への分かも確認をしている。安全性確認として、PD scoreの解析、核型の評価を進めている。 また、hypoSHEDをhypoganglionosisモデルマウスに移植し効果を解析した。群としては、JF1-PBS群、JF1-hypoSHED移植群、JF1-healthySHED移植群である。栄養学的評価(生存率、体重)、腸管電気生理学的評価を施行した。電気生理学的評価としては、slow waveの評価や、EFS、Ach・KCL・ET1での刺激による収縮を評価した。体重増加や電気生理学的評価に関しては、現時点では、各群間で明らかな差は認められなかった。また、病理組織学的解析としては、HE染色ならびにHuCDにて神経節細胞数を評価した。結果、各群における所見の差は認められなかった。 今後、サンプル数を慎重に検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の5項目が当研究のタスクである。[1] 患児由来SHEDを用いた全ゲノム解析・RNAseqによる遺伝子的背景の解析 [2] 患児由来SHEDの幹細胞生物学的解析 [3] 患児由来SHEDを用いた疾患モデルマウスにおける細胞移植効果の解析 [4] [1][2]の解析結果を踏まえたゲノム編集技術による患児由来SHEDの機能改善 [5] 産学官連携によるシームレスな早期臨床試験の実現。中でも、[2]は順調に進んであり、hypoSHEDのMSCとしての性質の確認を済ませている。[3]の評価を現在、慎重に行っている。[5]に関しては、常に連携をとっている。したがって、やや遅れているものの概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
患児由来SHEDがMSCに矛盾しない特性を有する結果であることは確認した。今後はさらに以下を検討している。①安全性の評価として、腫瘍原性試験、染色体異常試験、SHEDが抗原性を有するか否かの試験である。②神経細胞・カハール細胞へ分化の試験として、免疫染色、カルシウムイメージング、及び薬剤刺激(Ach, ET)、電気刺激に対する変化をパッチクランプ法にて、評価し電気生理学的な機能評価を行う。 H病およびH類縁モデルに対する患者由来SHED移植効果の検討に関して以下に述べる。モデルマウスとして、H病(RetもしくはEdnrb欠損)およびHypoマウス(Ednrb異常, JF1マウス)および CIIPモデルマウス(c-kit欠損モデル, W/Wvマウス)はcommercial baseで購入継続する。①栄養学的評価、病理組織学的形態学的評価(絨毛高・長さ)、生化学的評価(糖吸収能、絨毛成熟度の評価) (ELISA, 比色法)、腸内フローラの評価(糞便のPCR)②腸管蠕動評価:Tissue Organ BathやMEAを用いた生理学的評価(ACh, ET1, NO, 電気的刺激, ペースメーカー波形の評価)③病理組織学的/分子生物学的評価: 神経節細胞数・神経線維密度・カハール細胞面積(免疫染色)、蛋白発現量の解析(qPCR, ELISA) 臨床グレードの疾患特異的SHEDの作成に関して以下に述べる。我々は、臨床試験のためのミーティング(現在はWEB)を定期的に執り行っている。今後も、GMPに基づいたSHEDの作成を行い、AROや産学官連携を強める。
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