研究課題/領域番号 |
21H03015
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
板谷 慶一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70458777)
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研究分担者 |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (40182422)
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
白石 公 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (80295659)
山田 聡 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80374320)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 成人先天性心臓外科 / 血流解析 / 右室流出路再建 / 肺動脈弁弁膜症 / 4D flow MRI / 血流シミュレーション / 超音波VFM |
研究実績の概要 |
2021年度は4D flow MRI解析ソフトウェアを事業化し、複数施設でScanが可能なことを確認、またその臨床的な有用性について検討し、解析ソフトウェアに関しては医療機器化を目指してFDA申請を行い、臨床上の有用性についてはreview paperを英文で発表した。 特に、エネルギー損失の右心負荷としての意義を確認し、肺動脈弁再手術治療介入基準としてのエネルギー損失値は絶対値のみではなく、心拍出量との比も重要であり、高感度・特異度での手術適応をエネルギー損失の観点から割り出すことに成功した。 シミュレーション技術に関しては成人先天性心臓外科手術の適応疾患を再検討し、システマティックな解析を行うための環境整備を行った。適応疾患としては心臓弁膜症や心不全などの疾患よりも、非解剖学的な血行再建を要する症例、すなわち先天性冠動脈異常やFontan循環、肺動脈形成、大動脈弓再建において有益である可能性を検討し、多施設共同臨床研究をセットアップした。解析方法に関しては均質でシステマティックなプロトコルを作成すべく、CTなどのデータインポートプロセス、画像スキャンについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
施設異動があり、臨床研究を再構築する必要があったためハンディキャップとなったが、その一方で施設間差を埋めるべく、画像スキャンプロトコルを再構築できたことは有益であった。異動に伴い、これまでのデータをまとめ論文発表できたことは有益であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究として手術前後のデータをより集中して集積することを検討している。 スキャンプロトコルの確立から解析プロセスの自動化、そして手術結果の臨床評価にどのようにつなげられるかについて、各血流解析モダリティごとに検証し、また成人先天性心疾患の各疾患と手術術式ごとにも検討することを予定している。 手術に関しては成人先天性心臓外科手術をコツコツと行い、患者さんの就労支援や日常生活の支援を行い、患者さんのADL向上などが明確になるにつけ、徐々に症例数は増多しており、臨床研究を継続するうえでは有利な環境になりつつあると考えられる。 また、解析プロセスに関しては医療機器化についてはAMEDなどのヘルスケア事業のグラントの元、また医学・生理学的な基礎研究や数理科学の手法を要する研究に関してはJSTなどの産業グラントの元で事業化が推進されており、医学研究と並列して進めることができる。
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