研究課題/領域番号 |
21H03374
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
並河 徹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (50180534)
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研究分担者 |
横田 茂文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50294369)
須山 幹太 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70452365)
硲 哲崇 朝日大学, 歯学部, 教授 (90243154)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 食塩嗜好性 / SHR / epithelial Na channel / QTL解析 / 関連分析 |
研究実績の概要 |
高血圧などの心血管系疾患を予防するためには減塩の実現が不可欠である。高血圧の遺伝的モデルラットSHRが対照ラットWKYに比べて高濃度の 食塩水を好んで飲 むことが明らかとなり、食塩嗜好性に関与する遺伝子が存在することが示唆された。そこで、本研究の目標は、SHRの食塩嗜好性遺伝子を同定し、塩味が好ましい と感じる遺伝的メカニズムを明らかにすること、その知見を活かして新たな発想にもとづく減塩法の開発 につなげることである。 今年度は、後半に行ったF2 200匹分のタイピングデータについて、精度に問題がある可能性が出て来たため、再度sequence dataの見直しを行い、およそ400マーカーについて使える目処が立った。今後、これらのマーカーを用いた解析を進めるとともに、更にマーカー数を増やせないか、検討を行う。 また、前年度までの検討から、やはり口腔内・舌の受容体とその下流の神経系が、SHRの食塩嗜好性亢進に関与している可能性が高まったため、味覚信号を求心性に運んでいる鼓索神経の切断がSHRの食塩嗜好性に影響するかどうかを確認したところ、ENaC阻害薬と同様に嗜好性低下がみられたため、口腔・舌からのシグナルとその処理系の異常がSHRにおける食塩嗜好性に影響していると考えられた。 脳内において食塩嗜好性に関与が示唆されている神経核において、ナトリウム摂取制限下での神経活性化の程度にSHRで異常がみられないか、検討を行っていたが、実験条件の確立ができたため、今後系統間の差について検討を行う。preliminaryな検討では、低ナトリウム食下のSHRでは、pre-LCなどのいくつかの神経核で神経活性化が低下していることを示唆された。今後例数を増やして検討を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物施設の改修工事が2年連続で実施されたことなど、不可避の事情がいくつか重なり、それによる遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の遅れを補うため、新たにラットの遺伝解析に造詣の深い研究者に分担研究者をお願いし、遺伝解析とコンジェニックラットを用いた検討を加速させることとした。 ラットを用いた生理学的脳科学的検討は、分担研究者と共同で継続して進める。 ヒトにおける遺伝解析の準備を進める。
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