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2022 年度 実績報告書

多言語配慮表現データベースの構築と配慮表現辞典の編纂

研究課題

研究課題/領域番号 22H00670
配分区分補助金
研究機関創価大学

研究代表者

山岡 政紀  創価大学, 文学部, 教授 (80220234)

研究分担者 牧原 功  群馬大学, 国際センター, 准教授 (20332562)
小野 正樹  筑波大学, 人文社会系, 教授 (10302340)
長谷川 守寿  東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (50272125)
甲田 直美  東北大学, 文学研究科, 教授 (40303763)
西田 光一  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (80326454)
三宅 和子  東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60259083)
斉藤 信浩  九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
大和 啓子  群馬大学, 国際センター, 講師 (60640729)
伊藤 秀明  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70802627)
斉藤 幸一  大阪電気通信大学, 教育開発推進センター, 特任講師 (50649845)
宮原 千咲  広島修道大学, 学習支援センター, 学習アドバイザー (00779267)
李 丹  創価大学, 文学部, 助教 (60876704)
大堀 裕美  創価大学, 文学部, 非常勤講師 (10966774)
中後 幸恵  創価大学, 公私立大学の部局等, 助教 (20964745)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード配慮表現 / ポライトネス / 対照研究 / 敬意表現 / 慣習化 / 日本語 / 英語 / 中国語
研究実績の概要

2022年度4月より科学研究費補助金基盤研究(B)の新研究課題「多言語配慮表現データベースの構築と配慮表現辞典の編纂」の採択を受けた。これは同・基盤研究(B)の前研究課題「日本語配慮表現辞典の基盤形成のための配慮表現正用・誤用データベースの構築」を継承しつつ新たな段階に入るものである。新課題の研究活動には大きく2本の柱がある。第一に、『日本語配慮表現辞典』を編纂し、刊行することである。第二に、配慮表現研究を多言語に拡張することである。
第一の辞典編纂についてはくろしお出版との企画が合意に達し、本年より具体的な執筆・編纂活動に入ることとなった。6月にはそのための第1回執筆者協議会を行った。ここでは、辞典のページレイアウト、各ページの記載項目、執筆方針、各担当者の項目分担等について協議し、合意を得た。2023年3月には第2回執筆者協議会を開催し、各項目内容について意見交換を図った。3月末日をもって第Ⅰ期の項目執筆を終えたところ、22項目の原稿が完成した。
第二の多言語展開についてはこれまで何度かの学会ワークショップで検討を重ねてきた内容を書籍化して世に問うこととし、論文集『世界の配慮表現』の刊行を進めることとなり、版元についてはひつじ書房と合意に至った。現在、執筆者9名による11章の執筆を継続中である。
これらの事業を進めるための検討会議として、8月には静岡にて3年ぶりとなる対面の研究合宿を行った。ここには研究代表者1名、研究分担者8名、研究協力者6名の計15名が集い、辞典編纂および多言語展開の両面について中間発表的な研究報告・意見交換を行った。
2023年3月にはこの1年間の研究成果のまとめとして『日本語コミュニケーション研究論集』第12号を発刊した。ここには研究論文4編を収めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年6月、8月、2023年3月の3度の研究会(協議会)を予定通り開催でき、2023年3月には例年通り『日本語コミュニケーション研究論集』第12号を発刊することもできた。これにより、本研究課題の初年度研究計画の二つの柱である『日本語配慮表現辞典』の編纂と『世界の配慮表現』の論文執筆をほぼ計画通りに進行させることができたと考えている。

今後の研究の推進方策

2023年度の本研究プロジェクトの研究活動として主として以下の6項目を計画している。
1.多言語配慮表現データベースの入力作業:①日本語および他言語の配慮表現に該当する語彙・表現を出来る限り多く認定する。②各配慮表現の正用例を日本語コーパスや各言語のコーパスから収集する。③各配慮表現が使用される文脈を記述する。具体的には、発話の発話機能や、発話を取り巻く語用論的な状況をコーパスの用例をもとに帰納的に記述する。④各配慮表現の使用文脈とポライトネス機能との相関を、LeechおよびBrown & Levinson のポライトネス理論をもとに分析し、考察する。⑤日・中・英の3言語間の配慮表現の対訳と対応関係のタイプを必須項目として記述する。今年度の目標としては約200項目の入力を目指す。2.論文集『世界の配慮表現』(ひつじ書房)の刊行:①日・中・英の3言語のほか、韓国語、タイ語、アラビア語を加えた6言語に関する配慮表現の研究論文を収めた論文集の執筆を2022年度から継続し、2023年度6月には執筆を完了する。②7月以降、編集・校正作業を行い、本年11月に刊行する予定である。3.7月に開催される国際語用論学会IPrA第18回大会(ブリュッセル自治大学)において当研究チームによるパネルを行う。4.『日本語配慮表現辞典』(くろしお出版)の執筆:①2023年度は辞典項目執筆第II期として約50語の項目執筆を目指す。②8月には研究合宿を開催して辞典項目原稿の協議、検討を行い、2025年度の刊行を目指して内容の強化を図る。5.12月には日本語用論学会第26回大会(創価大学)にて、世界の配慮表現をテーマとするワークショップを行い、IPrAでの研究成果を改めて日本国内で問う。6.2024年3月には今年度の研究成果を集約した論文集として『日本語コミュニケーション研究論集』第13号を刊行する。

  • 研究成果

    (38件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (12件) (うちオープンアクセス 10件、 査読あり 6件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 多言語配慮表現データベース構築プロジェクト報告(1)―2022年度の活動報告―2023

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 12 ページ: 1-14

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Contextualisation of CEFR and its application to the study of Japanese language and Japanese language teaching2023

    • 著者名/発表者名
      Ono Masaki
    • 雑誌名

      Impact

      巻: 2023 ページ: 38~40

    • DOI

      10.21820/23987073.2023.1.38

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「母語」を問い直す―曖昧な意味に潜むイデオロギーと誤解の根源―2023

    • 著者名/発表者名
      三宅和子
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 25 ページ: 69-89

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] [書評]Miyuki Nagatsuji, The Pragmatics of Clausal Conjunction (Hituzi Linguistics in English No. 33)2023

    • 著者名/発表者名
      西田光一
    • 雑誌名

      語用論研究

      巻: 24 ページ: 146-156

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「~忍びない」の配慮表現的用法――配慮表現辞典DB化を想定して――2023

    • 著者名/発表者名
      大堀裕美
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 12 ページ: 29-37

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 配慮表現のことわざ ――「釈迦に説法」について――2023

    • 著者名/発表者名
      斉藤幸一
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 12 ページ: 38-52

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語の文法と語用論――モダリティから発話機能へ――2022

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 41-3 ページ: 34-41

  • [雑誌論文] マイナス評価の配慮表現に関する日中対照2022

    • 著者名/発表者名
      李奇楠・山岡政紀
    • 雑誌名

      日本語用論学会第24回大会発表論文集

      巻: 17 ページ: 205-208

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 副詞による賛同表現の日英対照2022

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀・甲田直美・西田光一
    • 雑誌名

      日本語用論学会第24回大会発表論文集

      巻: 17 ページ: 209-212

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 禁止表現における背景化の多言語対照2022

    • 著者名/発表者名
      小野 正樹・西田 光一・リナ アリ
    • 雑誌名

      日本語用論学会第24回大会発表論文集

      巻: 17 ページ: 201-204

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] モバイル・メディアの配慮はどのように示されるかーLINEを中心に2022

    • 著者名/発表者名
      三宅和子
    • 雑誌名

      AJALT

      巻: 45 ページ: 28-31

  • [雑誌論文] 配慮表現に関わるテンスの日英対照2022

    • 著者名/発表者名
      牧原功・西田光一
    • 雑誌名

      日本語用論学会第24回大会発表論文集

      巻: 17 ページ: 197-200

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ポライトネス研究と日本語研究2023

    • 著者名/発表者名
      小野 正樹
    • 学会等名
      ロシアCIS日本語教師会
    • 国際学会
  • [学会発表] 配慮表現「お言葉に甘えて」について2023

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現「そのうえで」について2023

    • 著者名/発表者名
      中後幸恵
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現のことわざについて2023

    • 著者名/発表者名
      斉藤幸一
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現「確かに」「なるほど」について2023

    • 著者名/発表者名
      李丹
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 「~かねない」の主張緩和機能 ~データベース入力を目指して~2023

    • 著者名/発表者名
      大堀裕美
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現「ただ」「実は」2023

    • 著者名/発表者名
      甲田直美
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 「どちらかと言えば」について2023

    • 著者名/発表者名
      小野正樹
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現「そこそこ」「やっぱり」について2023

    • 著者名/発表者名
      牧原功
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 「たりする」の配慮表現辞典記載について2023

    • 著者名/発表者名
      大和啓子
    • 学会等名
      第16回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] Two Types of Proverbs and the Floor Holder’s Self-Expression2022

    • 著者名/発表者名
      Koichi Nishida
    • 学会等名
      5th International Conference of the American Pragmatics Association (AMPRA-5), at the University of South Carolina in Columbia
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 配慮表現の配慮機能についてー中国語訳との比較を通してー2022

    • 著者名/発表者名
      李丹
    • 学会等名
      第十三回漢日対比語言学研討会
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本語配慮表現研究と中国語語用論研究2022

    • 著者名/発表者名
      李丹
    • 学会等名
      第六届漢語語言与話語国際研討会
    • 国際学会
  • [学会発表] 〔基調報告〕日本語配慮表現辞典編纂の取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現として機能することわざ2022

    • 著者名/発表者名
      斉藤幸一
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] ~忍びない~の配慮表現的用法2022

    • 著者名/発表者名
      大堀裕美
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 許容を表す応答表現2022

    • 著者名/発表者名
      大和啓子
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 日本語と韓国語のコピュラ-配慮表現としての機能に着目して-2022

    • 著者名/発表者名
      牧原功・金玉任
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 日本語学習者による配慮表現「そこそこ」の使用2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤秀明
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 母語話者意識と配慮表現2022

    • 著者名/発表者名
      三宅和子
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 贈答場面における「ツマラナイモノデスガ」の使用2022

    • 著者名/発表者名
      宮原千咲
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] 配慮表現更新の3パタンとその原則2022

    • 著者名/発表者名
      西田光一
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [学会発表] ポライトネス研究における配慮表現の位置づけ試案2022

    • 著者名/発表者名
      小野正樹
    • 学会等名
      第15回日本語コミュニケーション研究会
  • [図書] 敬語の事典2022

    • 著者名/発表者名
      荻野綱男編 小野正樹他著
    • 総ページ数
      704
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-51069-0
  • [図書] 移動とことば 22022

    • 著者名/発表者名
      三宅和子、川上郁雄、岩﨑典子編著
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      978-4-87424-896-6
  • [図書] 標準与創新-紀年≪中日交流標準日本語≫首版30年2022

    • 著者名/発表者名
      砂川有里子、牧原功、森山卓郎他
    • 総ページ数
      347
    • 出版者
      人民教育出版社(北京)

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公開日: 2023-12-25  

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